このたびは連合フェローという大変な栄誉をいただき恐縮しております。ご支援ご理解いただいた方々に厚く御礼申し上げます。
思えば、激動の中での研究人生でした。学生時代にプレートテクトニクスという新しい科学の勃興を経験し、その発展の中で一貫して変動帯の研究に関わって来ました。危機が迫っている南海トラフの掘削を含めた研究にも、四半世紀に渡り深く関与させていただきました。
また、今世紀に入ってからは、大学、学界、学術会議などの地球惑星コミュニティーを含めた大再編成、国際化の荒波、神戸・東北と相次ぐ災害の中での社会対応もありました。大変多忙ではありましたが、科学と社会の関係という大変重要な課題でも多くを学ばせていただきました。
グローバルでも地域スケールでも、解決を求められている課題探究へ、知的好奇心に対する探究と共に車の両輪として回していくという地球惑星科学の発展、それを担う人材、コミュニティーの今後の発展の意義は明確です。その発展を祈念してご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

このたびは、栄誉あるJpGU Fellowに選出され、大変光栄に存じます。
専門の地下水学を中心とした水循環や水環境の研究に加え、大気科学や地球熱学の分野と共同で進めた「地下温暖化」の研究や、沿岸海洋学と生態学の分野と共同で進めた、陸域から沿岸海域への地下水の直接流出である「海底地下水流出」の研究等をこれまで行ってきました。このような大気と海洋を陸水でつなぐ学際的な水循環研究と、地球規模の気候・環境変動と強く結びついた地下水や地球環境の研究を進めることができたのも、JpGUという異分野の研究者が集まる場があったからこそと考えています。異なる専門分野の研究者と様々な議論をすることができる恵まれた環境であった事をとても感謝しており、多くの皆さんに本当にお世話になりました。この場を借りて心からお礼申し上げます。水循環・水環境の研究は、社会の中の科学として、自然と社会と人をつなげる研究領域でもあります。これからも引き続き、水文学とその境界領域や異分野との学際研究を進めていきたいと思います。どうもありがとうございました。

この度は、名誉あるJpGUフェローに選出していただき、大変光栄に思います。私はこれまで主に地震波トモグラフィーという方法の開発と応用を行い、地球内部の3次元構造、地震の発生機構及び火山の起源と成因について研究してきました。また、月の内部構造と月震のメカニズムについても研究しました。地震学と固体地球科学の様々な分野の研究者の方々に重要であると思って頂けるような結果を出せるように努めてきました。その努力を今回お認め頂き、大変嬉しく思います。私の恩師や国内外の諸先輩方，同僚と共同研究者から数々の有益なご指導・ご助言を頂きました。この場をお借りして，お世話になった多くの皆様に心より感謝申し上げます。また，ご多忙の折，推薦に携わって下さった皆様にも厚く御礼申し上げます。さらなる質の高い研究成果を出せるように、これからも更に努力していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
It is my great honor and pleasure to be elected as a JpGU fellow. So far, I have been mainly working on the development of seismic tomography methods and applying them to study the 3-D structure of the Earth’s interior, mechanism of earthquakes, and origin of volcanoes. I have also investigated the 3-D internal structure of the Moon and the cause of moonquakes. I have made great effort and done my best to make research in the fields of seismology and solid-Earth geophysics. I am very pleased that my effort so far is recognized by the JpGU awards committee. Here I would like to thank my mentors, colleagues, coworkers and many other people including my family for their kind advices, help and support to me so far. I am also very grateful to the members who kindly recommended me for this honor. From now, I will continue my geophysical research and try to obtain better results. Thank you very much!

名誉あるJpGUフェローを受賞する栄誉に浴したことは、望外の喜びでございます。
ご推薦頂いた先生方、ならびにJpGUフェローの選考にあたられた方々に、心より感謝申し上げます。
また、本日の受賞式典に際し、公私ともご多用中にも拘りませず、多くの方にご参加頂き誠に有難く存じます。
ご紹介の通り、私の研究は観測技術や装置の開発、さらに国内外でのフィールド観測が中心でして、多くの研究者・技術者の方々とのご協力なしでは成しえない活動です。この度の受賞は国内およびアジア・欧米の各国の研究グループとの共同研究を顕彰して頂いたものと考えております。
幸い既に４５年を超えて研究を続けることができましたが、これもひとえに先達、同胞、後輩それにポスドクや学生の皆様方の、多年に亘るご支援の賜物と厚くお礼申し上げます。
この栄誉に恥じることのないよう一層精進いたす所存でございますので今後とも相変わらずお付き合い下さいますようお願い申し上げます。
ご参会の皆様方のご健勝とご多幸、ならびに地球惑星科学の益々のご発展をお祈り致します。　

• I was welcomed to Japan in 2011 after the Tohoku Earthquake and Iimmediately experienced the resolve and kindness of Japanese people.
• I immediately fell in love with your country and I was honored to work in theJapanese Alps and in Shikoku island together with Eva Hartung, DavidFloess and in close and essential collaboration with Harayama sensei andSimon Wallis sensei.
• The love for your country makes this recognition even more joyful.
• I would like to express my most sincere gratitude to the award committee ofthe Nishida Prize of the Japan Geoscience Union.
• I am also indebted to Simon Wallis sensei, Prof. Peter Ulmer and Prof. JonBlundy for proposing my name for this prestigious award and especially forall help with scientific matters but most importantly to have taught me manyimportant lessons that I keep using to navigate through life.
• All of this would not have been possible without the constant help and supportof my wife Jessica Kandlbauer, also a volcanologist, which is possibly thereason I am still allowed to live at home with our two beautiful kids.

このたびは、西田賞という栄誉ある賞を賜り、身に余る光栄に存じます。これまで尊敬する先輩方が受賞される御姿を憧憬の眼差しで見つめておりましたので、先輩方と同じ場に立つことができたことを、大変感慨深く思っております。このような機会を与えてくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。　私が気候モデリングという分野に足を踏み入れてから20年近くが経ちますが、この間の計算機能力と情報科学の発展は目を見張るものがあり、自然科学の理解も加速しました。つい数年前まではアイデアがあっても実現不可能だったことが次々と達成されていくような時代において、研究に身を投じることができたことは幸運だったと思います。ここまで複数の研究機関で修行を積ませていただきましたが、その行く先々で素晴らしい方々との出会いがありました。すべての方への感謝の言葉はここには書ききれませんので、今後、様々な機会をお借りして、時間をかけて感謝をお伝えして行ければと思います。

この度は、西田賞に選んで頂き、大変光栄に思っております。私は、主に深宇宙探査機用の観測装置の開発を進めてきており、その研究開発活動や観測実績を評価して頂きました。大学院進学時には、少し珍しい方ではないかと思うのですが、惑星科学において誤差の大きいデータを基にして多様な議論が展開されることに我慢がならず、この誤差を少しでも縮めて真実に迫りたい、というのが動機でした。道半ばではありますが、それでもこれまでの活動を評価して頂き、この道を極めていきたいという思いを強くしております。この活動と成果は、多数の方の協力によってようやく成立しております。研究室の学生達とは重要な実験を進めることができました。また、他大学・研究機関の共同研究者、担当メーカの方々、サポートを頂いた先生方には、大変お世話になっております。この場をお借りして皆様に感謝を申したいと思います。宇宙探査はこれからも続きます。成功も失敗も糧として、引き続き研究活動を進めていきます。この度はどうもありがとうございました。

この度はJpGUの西田賞に選出してくださり心から感謝します。私の主な専門は放射光X線測定を用いた高圧実験によるマグマの構造・物性の研究になります。特に、30代の大半の期間を、アメリカの放射光施設Advanced Photon Sourceでビームラインサイエンティストとして勤務しまして、高圧放射光X線実験技術の開発と、地球内部の高圧下におけるマグマの構造・物性についての研究を行ってきました。さらに、開発した技術を用いた共同研究を世界中の多くの研究者と行ったことなどを評価していただけたのかと思います。現在、世界の放射光施設では大規模なアップグレードが行われていまして、日本の放射光施設SPring-8においても、次世代の放射光X線実験に向けたアップグレードの議論が盛んに行われています。そのような中で、放射光X線測定を用いた高圧地球科学研究の重要性のアピールと次世代の高圧放射光X線実験の開発などに尽力し、地球科学の発展に貢献していきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

このたび西田賞を賜り，深く感謝申し上げます．大変に光栄であると同時に，身の引き締まる思いです．私は，海底堆積物の古気候アーカイブとしての可能性に魅力を感じ，研究を進めてきました．海底堆積物は，地球表層のあらゆる物理・化学・生物プロセスを経た物質が最終的に辿り着く場所で，地球表層の変動を記録する宝箱であると同時に，雑多なごみ箱でもあり，その中から優れた記録を探り出すことが重要です．白金族元素や鉛といった重元素は，地球表層における固体地球プロセスを見るのに適しており，それらの放射性起源同位体記録は，過去の地球が経験した大規模火成活動や天体衝突の記録を鮮やかに語ってくれます．この研究を通して，中生代のいくつかの時代で巨大火成岩区の大規模噴火が海洋無酸素事変や生物大量絶滅のタイミングと同時に起こったことが分かりました．この研究は，中生代の古環境研究の重要なターニングポイントとなったと自負しています．この研究を評価てくださり，西田賞に推薦してくださった先生方に，心より感謝申し上げます．

この度は、このような栄誉ある賞を受賞し、大変光栄に思います。このような賞をいただけたのも、多くの方々からのご指導・ご支援の賜物です。出身研究室である鳥海研究室や現在所属する海洋研究開発機構を始めとする地球科学分野の共同研究者の皆様、東京大学の岡田真人先生を始めとする数理・情報科学分野の共同研究者の皆様、そして研究を支えてくださった全ての方々に心から感謝申し上げます。
私のもともとの専門は変成岩岩石学ですが、地球科学分野の難解な逆問題解決には情報科学が必要だと感じ、ポスドク時代に、数理・情報科学を一から学び直し、学融合共同研究を始めました。昨今の人工知能・機械学習技術の著しい発展から予想されるように、これから、自然科学研究全体が新たなフェーズに入っていき、そこでは、さらに新しいサイエンスが必要になってくると思います。私自身、今後も新しい挑戦を続け、地球惑星科学分野の発展のために、日々精進していく所存です。引き続きご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

第５回西田賞の受賞，大変光栄に思います。私は以前から宇宙に関する研究に興味がありまして，学生時代は奈良岡浩先生のご指導の下，炭素質隕石に含まれる有機物の研究を，学位取得後は香内晃先生，渡部直樹先生のご指導の下，星間分子雲における化学進化に関する実験を進めてきました。最近再び隕石や小惑星リュウグウなど地球外物質に含まれる有機物の研究を行う機会を得て，模擬実験で得られる知見を組み合わせることで，おもに核酸塩基など生態関連分子の化学進化に関する研究を進めています。現在，宇宙科学分野はALMAやJWSTなど超高感度望遠鏡の運用や，小惑星サンプルリターン計画「はやぶさ２」の大成功により，これまでにない盛り上がりを見せていますし，今後もOSIRIS-RExによる小惑星Bennuサンプルの帰還など多くのエキサイティングなイベントが控えています。私自身，日本の地球惑星科学の発展にさらに貢献できるよう努力させていただきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

この度は栄誉ある賞をいただき、大変光栄です。私はこれまで、中性子や放射光といった量子ビームをプローブとして、高温・高圧下にある鉱物の構造、物性を調べることで地球深部を理解する、ということを主軸に研究を進めてきました。その中でも水、水素が果たしている役割は特殊であり、地球というシステムを成立させている鍵となる構成要素といえます。学生の時にその水素を”見る”ことのできる中性子実験を海外で行う機会に恵まれ、その後日本のJ-PARCで超高圧ビームラインを立ち上げるプロジェクトに関わることができたのは、大変幸運でした。ここ数年は子育てとの両立に試行錯誤しながらの研究生活でしたが、ここまでやってきたことの方向性にひとつ花丸をいただき、背中を押していただいたような、そんな心持ちです。日頃よりご指導いただいております先生方、共同研究者、そして同僚のみなさまに、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。これを励みにまた、自分の目指す道を少しでも前に進めていけたらと思います。

このたび、日本地球惑星科学連合より、第5回地球惑星科学振興西田賞を受賞致しました。これまで推進してきた極域海洋学の研究をご評価いただき、大変有難く思っております。紙面の都合上、名前を挙げて御礼を申し上げるのが難しい状況であるのが残念ではございますが、お世話になった方々、ご支援下さった方々に心から御礼申し上げたいと思っております。私の研究スタイルは他の方々と比べて、より多くの共同研究者のサポートが必要なものであり、自分一人で出来た部分はかなり限られておりました。直近で取り組んでいる研究に至ってはむしろ、共同研究者の方々の才覚や技能を結集する仕事になっていたかと思います。私のような研究能力に乏しい研究者が熱意一本勝負で本研究を全うできたのは、後進の方々に勇気を与える事例と思う一方で、多くの方々からの手厚いサポートがあった事を、改めて思い出させるものでもあります。今後とも引き続き極域研究の推進を通して、科学の進展と人類社会課題の解決に貢献できればと思っております。

このたび、西田賞を受賞することができ、大変光栄に思っております。私は名古屋大学大学院において田上英一郎先生の指導の下で海洋をフィールドとした研究を開始し、フロリダ国際大学ではRudolf Jaffé先生と陸域水圏を主なフィールドとし研究を展開しました。北海道大学環境科学院では3名の推薦者をはじめとして、多くの同僚や共同研究者、学生と一緒に、陸・海・空をフィールドに研究を進めております。これまでの成果の多くは、船舶観測により得られたものであり、同乗した多くの研究者および乗組員の方々のご協力とご支援を頂きました。これらの方々との素晴らしい関わりがなければ、この賞の受賞はあり得ませんでした。心より感謝申し上げます。この賞は水圏における溶存有機物に関する研究に対して頂いたものです。国内で溶存有機物に関する研究を行ってきた研究者は決して多くありませんが、国際的に高く評価されている研究が多いと思います。今後は、溶存有機物に関する研究を牽引できるよう努め、生物地球化学ひいては地球惑星科学の発展に尽力してまいります。

I am very honored to receive the Asahiko Taira International Scientific Ocean Drilling Research Prize. I appreciate JpGU and AGU offices for their consideration and support. I want to express my great appreciation for my colleagues and mentors whom I have sailed on JOIDES Resolution and Chikyu over the years. I am also grateful for the support from the ship operational offices for those ships at Texas A&M and JAMSTEC, as well as funding agencies. I’m so pleased to be a part of the IODP community, and I will continue doing research related to ocean drilling.