大会トップへ

スペシャルレクチャー

ワールドクラスの研究者が研究分野を越えて学生・若手研究者におくる地球惑星科学の特別講義シリーズ『スペシャルレクチャー』を連合大会期間中の お昼休み(12:30-13:40)に開催します.

今年の講演者は第1回西田賞授賞者です.会場前ではお弁当の販売も行いますので,お食事をとりながらの参加も可能です.

日時 連合大会期間中 お昼休み(12:30-13:40)
会場 コンベンションホール A / 国際会議室



5月22日(コンベンションホール A)

講演者河北 秀世 (京都産業大学神山天文台)
タイトル分子の原子核スピン異性体比と彗星
講演概要 等価な原子を対称な位置に持つ分子は、その波動関数の対称性から原子核スピン異性体と呼ばれる複数の異性体に分類できる。太陽系形成初期の物質を保持する彗星は、揮発性成分として主にH2Oからなっており、その他、種々の分子が含まれている。彗星において観測されるH2O, NH3, CH4などの原子核スピン異性体存在比について、その研究の現状を紹介する。


講演者三好 建正 (理化学研究所 計算科学研究機構)
タイトルデータ同化の進展と広がり
講演概要 データ同化は、シミュレーションと実測データを結びつけ、新たな価値を生む。数値天気予報では、データ同化が予報精度を左右する。シミュレーションは大規模化し、センサー技術は進化し続ける。これらの「ビッグデータ」の価値を活かすためのデータ同化研究が進んでいる。今後さらに広がるデータ同化の進展と広がりを議論する。


5月23日(国際会議室)

講演者是永 淳 (イェール大学)
タイトル地球の熱史モデルはどのように構築されてきたのか?
講演概要 1970年代にプレートテクトニクス理論が完成されるとすぐに、マントル対流の理論を用いて地球の熱史を説明しようとする研究が始まり、様々な議論を重ねながら現在まで 続いている。本講演では、30年を超える熱史モデル構築の歴史を解説し、最新の研究成果についても紹介する予定である。


講演者渡部 雅浩 (東京大学大気海洋研究所)
タイトル近年の気候変化のメカニズムと要因分析
講演概要 過去15年ほど、全球地表気温の上昇が停滞しており、温暖化のハイエイタスと呼ばれて大きな注目を浴びている。近年のデータから、地表気温上昇の停滞は海洋表層下の蓄熱量の増加を伴うことが分かっており、またこうした海洋熱吸収の変化をもたらす主要因として熱帯における十年規模の自然変動が有力となっている。本講演では、これらハイエイタスの背後にあるメカニズムおよび要因についてレビューと我々の研究結果を交えて紹介する。


5月24日(コンベンションホール A)

講演者相川 祐理 (筑波大学)
タイトル星・惑星系形成領域の分子進化:星間物質から惑星物質へ
講演概要 分子雲コアの重力収縮により星と原始惑星系円盤が形成され、円盤内ではやがて惑星系が誕生する。詳細な化学反応ネットワークモデルと流体力学モデル、さらにはALMAなどでの高空間分解能観測によって、星・惑星系形成過程における物質進化が急速に解き明かされつつある。講演では、その研究の現状を報告する。


講演者竹村 俊彦 (九州大学応用力学研究所)
タイトルエアロゾルによる気候変動 ― 数値モデルの開発と影響評価
講演概要 エアロゾルが引き起こす気候変動を定量的に評価するために、大気海洋結合モデルに組み込む形のエアロゾルモデルSPRINTARSを開発してきた。その主な研究成果を紹介するとともに、SPRINTARSを用いたPM2.5予測(http://sprintars.net)の日々の運用を通して感じる科学(特に地球惑星科学)と社会の接点について考察する。


5月25日(コンベンションホール A)

講演者鈴木 建 (東京大学)
タイトル計算機の中で太陽風を吹かせる
講演概要 太陽風はなぜ,そして,どのように吹くのか?」を知りたくなった私は,15年程前から太陽風駆動の磁気流体数値実験に取り組み出した. 当初計算コードはまともに動かずにっちもさっちも行かない状態で,実際に計算機の中で太陽風が吹き出すまでには膨大な時間を要したが,本発表ではその苦労話を交えつつ,太陽風駆動の物理を俯瞰する.


講演者三好 由純 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
タイトルエネルギー階層間結合が作り出す放射線帯電子の加速
講演概要 地球周辺の宇宙空間には放射線帯と呼ばれる領域があり、そこではMeVを超える高エネルギー電子が時々刻々と増えたり減ったりしています。本講演では、エネルギー階層間結合と呼ばれる概念をキーワードに、放射線帯電子の生成や消滅に関わる最新の研究と、放射線帯変動の解明を目指して打ち上げられるJAXAのジオスペース探査衛星(ERG)について紹介します。


5月26日(コンベンションホール A)

講演者長谷川 洋 (宇宙航空開発研究機構 宇宙科学研究所)
タイトル磁気圏の窓際を研究する
講演概要 磁気圏の外側境界「磁気圏 界面」は、我々が生きている身近な宇宙の理解や、 プラズマ宇宙で普遍的に起きている物理素過程の解明のために、重要な観測対象 だが、 その場観測できる宇宙の中では最も複雑なプラズマ構造であるため、研 究対象として敬遠されがちである。本講演では、衛星編隊観測を用 いたこの領 域の研究を紹介する。