2011年03月17日 | 東北地方沖太平洋地震の現地調査についてのお願い【重要】 |
東北地方沖太平洋地震の現地調査についてのお願い
今回の東北沖太平洋地震に伴う地震・津波の大災害に際し,多くの研究グループ,研究者の方々が現地の調査を計画していることと思います.そこで,以下に「学術調査実施時期のガイドラインについて(岩手・宮城・福島)」を示しますので,ご一読下さい.
これは,東北大学と岩手大学の防災研究者(今村文彦・越村俊一・堺 茂樹・小笠原敏記・高橋智幸・首藤伸夫)が現地で感じたことを議論し,その上で作成したものに,日本地球惑星科学連合の環境・災害対応委員会が加筆したものです.過去の津波緊急調査においては,研究者の活動が復興・復旧作業を阻害する一面がありました.特に,複数の研究者が個々に繰り返し現地に入ることで,現地負担が大きくなるという問題がありました.そのため,津波研究者の間では,被災地の状況が落ち着くまでは,現地負担を最小限にするよう,個人的には調査をせず,組織的かつ効率的に調査することが了解事項となっています.
今回の津波災害に関して,連合加盟学協会の皆様でも調査を計画されていることと思います.しかし,東北地方における津波被害はあまりにも甚大で,必死の救援活動が続く現状を考えますと,いま調査を行うのは大変困難です.
そこで以下のガイドラインを作成いたしました.実際に調査を計画されている方々は,ぜひ相互に緊密な連絡を取られて実行されることをお願いする次第です.現地には数日中に東北大を中心とする先遣隊が派遣され,学術調査が行える状況にあるかどうかを判断します.その後の学術調査の全体の連絡調整に関しましては,千葉工業大学の後藤和久が勤めますが,その前にまず日本地球惑星科学連合環境・災害対応委員会(n_dis@jpgu.org)にご一報いただきたくお願い申し上げます.
日本地球惑星科学連合 環境・災害対応委員会 委員長 松本 淳
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学術調査実施時期のガイドラインについて(岩手・宮城・福島)
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東北太平洋沿岸,とくに岩手,宮城,福島県での学術調査(緊急復旧調査を除く)開始時期の決定について,客観的な(以下の)条件について検討し,国内外の現地調査を計画している皆様に周知させていただきたいと考えています.
まず,国内の参加者のみで構成される調査グループに対しては,現地調査開始の条件が極めて重要です.
1)被災地の救命活動および行方不明者の捜索活動の規模が縮小し,復旧フェイズに入る
2)安全が確保される(とくに原子力発電所の問題が終息する)
3)ガソリンや物資の供給がある程度落ち着き(被災者に行き渡るようになり),道路の状態も緊急車両 以外の車両も通行できるようになる
4)調査者自身がレンタカーや宿泊の手配を行うことができる
また,海外からの調査チームには日本人研究者1名が同行し,ホテル等の予約やレンタカーの手配・運転等を担当する必要がありますので,以下の条件が加わります.
5)海外機関の調査隊に同行する研究者が,所属大学において学生の安否確認が終了し,研究者自身の判断で研究活動ができるようになる
上記の条件により現地調査が可能かどうかを判断するために,数日中に先遣隊を派遣して検討を行い,その結果を皆様にお知らせすることとします.
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