西田賞

西田 究(Kiwamu Nishida)

・受賞理由/Commendation

常時地球自由振動現象の研究

Research on Earth’s background free oscillations

・主要論文

  • Teleseismic S wave microseisms, Nishida, K., R. Takagi, Science, 2016, Vol. 353, 919-921, doi:10.1126/science.aaf7573.
  • Source spectra of seismic hum, Nishida, K., Geophys. J. Int., 199, 1, 416–429, doi: 10.1093/gji/ggu272,2014.
  • Background Love and Rayleigh waves simultaneously generated at the Pacific Ocean floors, Nishida, K., H. Kawakatsu, Y. Fukao, and K. Obara, Geophys. Res. Lett., 35, L16307, doi:10.102, 2008.
  • Three-dimensional crustal S-wave velocity structure in Japan using microseismic data recorded by Hi-net tiltmeters, Nishida, K., H. Kawakatsu, and K. Obara, J. Geophys. Res., 113, B10302, doi:10.102, 2008.
  • Resonant Oscillations Between the Solid Earth and the Atmosphere, Nishida, K., N. Kobayashi and Y. Fukao, Science, 287, 5461, 2244-2246, 2000.

・主な業績

“西田究氏は1990年代末以来、地震によらない地球自由振動である「常時自由振動論」を主導的に発展させてきた研究者である。その主たる業績は、以下の3点にまとめることができる。
(1)常時自由振動が伸縮・ねじれの両モードでおきていることを明らかにした。
(2)常時自由振動が、5mHzより短い周波数帯域では海洋重力波が海底地形を通して固体地球とカップリングする事で生まれること、より低周波側では、大気圧擾乱が地表を叩くために生じることを明らかにした。
(3)常時自由振動データに地震波干渉法を適用して、3次元地球内部地震波速度構造を推定する手法を開発した。地震データとは全く独立な微動データから、地殻・マントル構造を推定した。
西田氏が、その卓越したデータ解析能力によって大気・海洋・固体地球のカップリング現象の解明とそれを用いた地球内部構造の推定に成功したことは国際的にも非常に高く評価されている。