浜野 洋三(Yozo Hamano)先生
・受賞理由
地球惑星科学の学際研究プラットフォーム構築への著しい貢献と地球電磁気学を用いた地球内部活動の解明により
For outstanding contributions to building an interdisciplinary research platform in earth and planetary sciences and to understanding of the Earth’s internal dynamics using geoelectromagnetism
・経歴
- 1972年10月 東京大学理学部助手
1984年1月 東京大学地震研究所助教授
1990年8月 東京大学理学部教授
1993年4月 東京大学大学院理学系研究科教授
2007年5月 東京大学名誉教授
2007年4月 独立行政法人海洋研究開発機構上席研究員
2014年4月 独立行政法人海洋研究開発機構特任上席研究員(非常勤)
2016年4月 国立研究開発法人海洋研究開発機構アドバイザー(委嘱)
2019年1月 神戸大学海洋底探査センター客員教授
・主要論文
- Hamano, Y, An experiment on the post-depositional remanent magnetization in artificial andnatural sediments, Earth Planet. Sci. Lett., 51, 221-232, 1980.
- Hamano, Y., A new time-domain approach for the electromagnetic induction problem in a 3-D heterogeneous earth, Geophys. J. Int., 150, 753-769, 2002.
- Toh, H., K. Satake, Y. Hamano, Y. Fujii and T. Goto, Tsunami signals from the 2006 and2007 Kuril earthquakes detected at a seafloor geomagnetic observatory, J. Geophys.Res., 116, B02104, 2011.
- Miyagoshi, T. and Y. Hamano, Magnetic Field Variation Caused by Rotational SpeedChange in a Magnetohydrodynamic Dynamo, Physical Review Letters,111(12):124501, 2013.
- Yanagisawa, T., Y. Hamano and A. Sakuraba, Flow reversals in low-Prandtl-numberRayleigh-Benard convection controlled by horizontal circulations, Physical Review E,92, 2015.
・主な業績
浜野博士は,地球惑星を一つのシステムとして捉え,分野を横断する融合研究を自ら展開するとともに,JpGUを中心に異分野融合研究の舞台となるプラットフォームの構築に尽力された。これらの功績は,日本の地球惑星科学の発展に著しい貢献を果たした。地球電磁気学を用いた地球内部活動の解明に関しては,地球大気の脱ガスモデルに始まり,古地磁気学,海洋底テクトニクス,コアの対流運動,津波電磁気異常,海底電磁気観測にわたる広範な研究分野において顕著な業績をあげている。特に,コアのダイナミクスに関する研究では,地球回転変動を起源とする地球磁場変動メカニズムに関する理論的な研究を行うとともに,岩石の古地磁気測定や液体金属の熱対流実験を実施し,コアの対流現象に関する多角的な研究を展開された。これらの成果は,固体地球科学をはじめとする地球惑星科学の発展に大いに貢献した。
・推薦者
杉岡 裕子
・サポーター
松浦 充宏、歌田 久司、林 祥介