茂木 清夫 (Kiyoo Mogi) 先生
・受賞理由/Commendation
火山物理学,岩石破壊力学及びそれに基づいた地震物理学における顕著な貢献により
For outstanding contributions to physical volcanology, rock mechanics, and earthquake physics
・経歴
1954年東京大学地震研究所助手
1965年東京大学地震研究所助教授
1969年東京大学地震研究所教授
1990年東京大学名誉教授
1990年日本大学生産工学部教授
・主要論文
- Relations between the eruptions of various volcanoes and the deformations of the ground surface around them. Bull. Earthquake Res. Inst., vol. 36, pp. 99-134 (1958)
- Sequential occurrence of recent great earthquakes. J. Phys. Earth, vol. 16, pp. 30-36 (1968)
- Source locations of elastic shocks in the fracturing process in rocks (1). Bull. Earthquake Res. Inst., vol. 46, pp. 1103-1125 (1968)
- Fracture and flow of rocks under high triaxial compression. J. Geophys. Res., vol. 76, pp. 1255-1269 (1971)
- Dilatancy of rocks under general triaxial stress states with special reference to earthquake precursors. J. Phys. Earth, vol. 25, Suppl. S203-S217 (1977)
・主な業績 Major achievements (in Japanese)
茂木清夫氏は,永年にわたって,火山物理学,岩石破壊力学及びそれに基づいた地震物理学研究に携わり,それぞれの分野で大きな成果を挙げた.1950年代に発表した,火山噴火と地殻変動の関係についての「茂木モデル」は,世界中の火山学者にあまねく知られ,噴火機構解明のための基礎理論となっている.1960年代に,岩石破壊実験を精力的に実施し,アコースティック・エミッション(AE)を通じて,岩石の巨視的破壊に先行する微小破壊過程で顕著な業績をあげた.その著書はAE研究の古典的文献とされている.また,岩石破壊実験の真の3軸加圧試験機を開発して,これまで不明であった中間主応力の効果を明らかにした.地震物理学に関しては,地震群の分類とその解釈,前震,余震の特性,地震空白域,地震活動の移動,浅い大地震と深発地震の関係,地震活動期など,数々の先見的アイデアを提唱または発展させてきた.
推薦者/Nominator
吉田 真吾