JpGUフェロー

三上 岳彦 (Takehiko Mikami) 先生

・受賞理由/Commendation

気候学,特にグローバルスケールでの気候変動研究,都市環境としてのヒートアイランド現象,古気候復元研究において顕著な貢献をした功績により

for outstanding contributions to climatology, in particular to the understanding of global scale climate change, the urban heat island phenomenon, and paleoclimate reconstruction.

・経歴

1969年東京大学理学部地学科地理学課程卒業
1971年東京大学大学院理学系研究科地理学専攻修士課程修了
1977年東京大学大学院理学系研究科地理学専攻博士課程修了、理学博士
1978年〜1980年東京大学教養学部助手
1980年〜1987年お茶の水女子大学文教育学部助教授
1987年〜1991年東京都立大学理学部助教授
1989年3月〜9月英国イーストアングリア大学気候研究所客員研究員
1991年〜1997年東京都立大学理学部教授
1991年〜1994年東北大学理学部付属大気海洋変動研究センター客員教授
1997年〜2005年東京都立大学大学院理学研究科教授
2005年〜2008年首都大学東京大学院都市環境科学研究科教授・学部長補佐
2006年〜2008年首都大学東京全学国際交流委員会委員長
2008年〜首都大学東京大学院都市環境科学名誉教授、帝京大学文学部教授

・主要論文

  1. Zaiki, M., G. P. Konnen, T. Tsukahara, P. D. Jones, T. Mikami and K. Matsumoto 2006. Recovery of nineteenth-century Tokyo/Osaka meteorological data in Japan. Int. J. Climatol. 26: 399–423, DOI: 10.1002/joc.1253.
  2. Hirano, J. and T. Mikami 2008. Reconstruction of winter climate variations during the 19th century in Japan. Int. J. Climatol. 28: 1423–1434, DOI: 10.1002/joc.1632
  3. Mikami, T. 2008. Climatic variations in Japan reconstructed from historical documents, Weather, 63: 190-193, DOI: 10.1002/wea.281.
  4. 大和広明・ 三上岳彦・ 高橋日出男 2012.夏季日中における首都圏のヒートアイランド現象に海風が与える影響、地学雑誌、120:325—340.
  5. 成田健一・三上岳彦・菅原広史・本條 毅・木村圭司・桑田直也 2004.新宿御苑におけるクールアイランドと冷気のにじみ出し現象、地理学評論、77:403-420, 2004.

・主な業績 Major achievements (in Japanese)

北半球の気温変動の地域性に関する研究などで、広域的な気候変動研究を推進された。また、首都圏に広域的稠密自動観測網を展開したMETROS等の研究プロジェクトにより、都市気候研究を中核的に推進された。さらに、日本各地残されている江戸時代以前の古日記の天候記述から古気候を復元する歴史気候学にも取り組み、日本の江戸時代の気温を長期的に復元するなど、気候学と歴史学とにまたがる学際的研究を推進された。日本地理学会評議員、東京地学協会理事、日本学術会議・連携会員、英国Royal Meteorological Society, Associate Fellow、International Society of Historical Climatology, Vice Presidentなどを歴任し、国や東京都の都市気候や都市環境改善に関する委員会委員等も務め、社会的にも大きく貢献された。

推薦者/Nominator

松本 淳