JpGUフェロー

松井 孝典 (Takafumi Matsui) 先生

・受賞理由/Commendation

惑星科学,特に地球の大気・海洋の形成と進化についての顕著な貢献,および長年にわたり地球惑星科学の普及に貢献した功績により

for outstanding contributions to planetary science, in particular to the understanding of the formation and evolution of the atmosphere and oceans; and numerous contributions to popularization of geoscience.

・経歴

1978年6月東京大学理学部助手
1992年4月東京大学理学部助教授
1993年4月東京大学大学院理学系研究科助教授
1999年4月東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
2009年4月千葉工業大学惑星探査研究センター所長

・主要論文

  1. Matsui, T. and Abe, Y. (1986) Evolution of an impact-induced atmosphere and magma ocean on the accreting Earth. Nature 319, 303-305.
  2. Matsui, T. and Abe, Y. (1986) Impcat-induced atmospheres and oceans on Earth and Venus. Nature 322, 526-528.
  3. Matsui, T. and Abe, Y. (1986) Formation of a “magma ocean” on the terrestrial planets due to the blanketing effect of an impact-induced atmosphere. Earth, Moon, and Planetes 34 223-230.
  4. Yomogida, K. and Matsui, T. (1983) Physical properties of ordinary chondrites. J. Geophys. Res. 88, 9513-9533.
  5. Abe, Y. and Matsui, T. (1985) The formation of an impact-generated H2O atmosphere and its implications for the early thermal history of the Earth. J. Geophys. Res. 90. Spl. C545-C559.

・主な業績 Major achievements (in Japanese)

松井氏は地球惑星をトータルに理解する地球惑星システムという新しいパラダイムを開拓された.地球においては多圏が複雑な相互作用を通じて進化してきたことは誰もが知っているが,ほとんどの研究者はそれをサイエンスとして展開することはできていない.松井氏は1980年代半に,指導学生であった阿部豊氏とともに地球形成時の天体衝突における固体地球.大気.海洋の形成と共進化を論じ,その一部は松井氏が主著となったNature の論文2本に発表した.この考えは,その後,松井氏の指導する院生たちにより多様な展開がなされ,巨大な学問体系へと発展した.松井氏はその考えをさらに,”地球学“に発展させ,地球と人間の関わり,現在はさらに,生命の起源・進化と宇宙の関わりを解明しようとしており,常に地球惑星科学という学問の進むべき方向性を示してきた.

推薦者/Nominator

永原裕子