JpGUフェロー

尾池 和夫 (Kazuo Oike) 先生

・受賞理由/Commendation

地震学おける顕著な功績,および「日本ジオパーク」など幅広い視点からの地球惑星科学の知識普及に多大な貢献をした功績により

for outstanding contributions to seismology; and numerous contributions to spreading the understanding of geoscience through his involvement with the Japanese Geoparks Network.

・経歴

昭和38年(1963年)3月、京都大学理学部地球物理学科卒業
昭和38年(1963年)4月、京都大学防災研究所助手
昭和48年(1973年)5月、同上助教授
昭和63年(1988年)12月、京都大学理学部教授
平成7年(1995年)4月、改組により京都大学大学院理学研究科教授
平成13年(2001年)4月、京都大学副学長を兼任
平成15年(2003年)12月16日、京都大学総長
平成20年(2008年)10月1日、京都大学名誉教授
平成20年(2008年)10月1日、財団法人国際高等研究所フェロー
平成21年(2009年)4月1日、財団法人国際高等研究所所長
平成25年(2013年)4月1日、学校法人瓜生山学園・京都造形芸術大学学長

・主要論文

  1. 地震に伴う電磁放射の波形記録システムと1993 年北海道南西沖地震前後の記録:尾池 和夫, 山田聡治、 災科学技術研究所研究資料 166, 161-175, 1995-03-31.
  2. Analyses of Data Recorded by the Network System for Observations of Earthquake Responses in the Kyoto Area: CHO Ikuo, MURAMATSU Yoko, KOBAYASHI Reiji, NAKANISHI Ichiro, OIKE Kazuo, SUZUKI Yoshiyuki, FUJIWARA Teizo、 Journal of natural disaster science 20(2), 49-55, 1998.
  3. 浅発地震と落雷との関係について(第3 部地殻活動に伴う電磁波放射の研究):尾池 和夫, 村上寛史, 永井敏雄、防災科学技術研究所研究資料 157, 253-272, 1993-03-29.
  4. 自然災害資料の収集のためのパソコン通信網の活用:尾池和夫, 松村一男, 石川有三, 岡田弘, 平井邦彦、自然災害科学 10(3), 209-214, 1992-01-31.
  5. MODELLING THE NUMBER OF CASUALTIES FROM EARTHQUAKES: SAMARDJIEVA Elena, OIKE Kazuo、Journal of natural disaster science 14(1), 17-28, 1992.

・主な業績 Major achievements (in Japanese)

尾池和夫氏は1963年から京都大学防災研究所において西日本における微小地震観測網の構築をすすめたほか、微小地震観測方式にテレメータを導入し、それらの記録から自動的に震源を計算する方式を開発した。また、地震の発生メカニズムの研究を行い、沈み込むプレートの上部におこるやや深発地震では、プレートの沈み込む方向に引っ張る力が働いてプレートの先端側が滑り落ちるように何回かに分かれて破壊する地震が多く、深い地震を分析すると2連発で起こる場合が多いことを指摘した。このほか、尾池氏は地殻破壊の前兆現象としての電磁放射の特性に関する研究や地震直前の宏観異常現象の信憑性を中国の研究者と協力して検討するなど、地震災害軽減に向けた地震予知の可能性について従来の枠組みにとらわれないユニークな研究も行った。尾池氏は2008年から日本ジオパーク委員会委員長として地球惑星科学の知識普及に貢献している。

推薦者/Nominator

竹本修三