JpGUフェロー

島崎 邦彦 (Kunihiko Shimazaki) 先生

・受賞理由/Commendation

プレート境界及び内陸活断層における大地震の発生時期や規模の予測に関する研究について顕著な貢献により

For outstanding contributions to forecasting time and size of large earthquakes on plate boundaries and inland active faults

・経歴

2009年6月 – 現在 東京大学 名誉教授
2012年9月 – 2014年9月 原子力規制委員会 委員
1989年6月 – 2009年3月 東京大学地震研究所 教授
1980年10月 – 1989年5月 東京大学地震研究所 助教授
1970年4月- 1980年9月 東京大学地震研究所 助手

・主要論文

  1. Geological evidence of recurrent great Kanto earthquakes at the Miura Peninsula, Japan. Kunihiko Shimazaki, Haeng Yoong Kim, Takashi Chiba, Kenji Satake, Journal of Geophysical Research: Solid Earth 116(B12) B12408, December 2011, DOI: 10.1029/2011JB008639.
  2. Small and Large Earthquakes: The Effects of the Thickness of Seismogenic Layer and the Free Surface. Kunihiko Shimazaki, “Earthquake Source Mechanics” 209-216, January 1986, DOI: 10.1029/GM037p0209.
  3. Time-Predictable recurrence model for large earthquakes. Kunihiko Shimazaki and Takashi Nakata, Geophysical Research Letters 7(4):279-282, April 1980, DOI: 10.1029/GL007i004p00279
  4. Correlation between intraplate seismicity and interplate earthquakes in Tohoku, northeast Japan. Kunishiko Shimazaki, Bulletin of Seismological Society of America, 68 (1), 181-192, 1978
  5. 活断層で発生する大地震の長期評価:発生頻度推定の課題. 島崎邦彦, 活断層研究 (28) 41-51 2008年3月.

・主な業績 Major achievements (in Japanese)

地震学,特に大地震の繰り返しと長期的な予測に関する研究について,後に標準となるような多くの先進的な発見をした.日本海溝で発生するプレート間地震の前後には,日本列島内陸の地震活動が活発化することを示した.特定の活断層や沈み込み帯で発生する大地震は固有の規模・繰り返し間隔を持って発生すること,さらに前回の地震の発生時・規模がわかれば次の大地震の発生時期を予測できるという時間予測モデルを提案した.地殻内で発生する地震について,断層が地震発生層全体に及ぶ大地震と,地震発生層内の一部が破壊する小地震とでは,地震規模と断層長さとの間に異なる相似則が成立することを示した.地震学会会長・日本活断層学会会長として,地球科学の発展に貢献した他,地震予知連絡会会長・原子力規制委員会委員など,地球科学の結果を社会へ生かすことにも著しい貢献をした.

推薦者/Nominator

佐竹 健治