JpGUフェロー

福西 浩(Hiroshi Fukunishi)先生

・受賞理由/Commendation

雷に伴うエルブスの発見、陽子オーロラやPc1/Pi2地磁気脈動の特性の解明、新たな計測装置の開発や多数の後進研究者の輩出による超高層大気分野への顕著な貢献により

For outstanding contributions to the Aeronomy through studies of sprite/elves, proton auroras, Pc1/Pi2 pulsations, development of new instruments, and guidance of new young scientists in this
field

・経歴

1969年8月 第11次南極地域観測隊越冬隊員
1969年8月 第11次南極地域観測隊越冬隊員
1973年2月 米国AT&Tベル研究所研究員
1975年4月 国立極地研究所助手
1975年7月 第17次南極地域観測隊越冬隊員
1977年8月 国立極地研究所助教授
1980年7月 第22次南極地域観測隊夏隊長
1984年7月 第26次南極地域観測隊越冬隊長
1986年4月 東北大学理学部教授
1990年4月 東北大学理学部附属超高層物理学研究施設長
1997年4月 東北大学理学研究科附属地磁気観測所長
2007年4月 国立大学法人東北大学名誉教授
2007年4月 日本学術振興会北京研究連絡センター所長
2011年4月 国立大学法人東北大学総長特命教授(2014年3月まで)

・主要論文

1. Fukunishi, H. (1975), Polarization changes of geomagnetic Pi 2 pulsations associated with the plasmapause, J. Geophys. Res., 80(1), 98-110.
2. Fukunishi, H. (1975), Dynamic relationship between proton and electron auroral substorms, J. Geophys. Res., 80(4), 553-574.
3. Fukunishi, H., T. Toya, K. Koike, M. Kuwashima, and M. Kawamura (1981), Classification of hydromagnetic emissions based on frequency-time spectra, J. Geophys. Res., 86(NA11), 9029 -9039.
4. Fukunishi, H., R. Fujii, S. Kokubun, K. Hayashi, T. Tohyama, Y. Tonegawa, S. Okano, K. Yumoto, M. Sugiura, I. Aoyama, T. Sakurai, T. Saito, T. Iijima, A. Nishida, and M. Natori (1990), Magnetic field observations on the Akebono (EXOS-D) satellite, J. Geomag. Geoelectr., 42(4), 385-409.
5. Fukunishi, H., Y. Takahashi, M. Kubota, K. Sakanoi, U. S. Inan, and W. A. Lyons (1996), Elves: lightning-induced transient luminous events in the lower ionosphere, Geophys. Res. Lett., 23(16), 2157-2160.

・主な業績

福西浩氏は、地球と惑星の超高層大気の研究分野において、光と電磁場の新たな高精度観測に基づいて学界を先導する研究を行ってきた.特に,サブストーム時のプロトンオーロラの動態や、高緯度Pc1地磁気脈動の特性の系統的な解明、Pi2地磁気脈動のプラズマ圏界面における特性、上方に伝搬する雷の一種であるエルブスの発見などは特筆すべき成果である.また,越冬隊長を含めて南極地域観測隊への4回の参加を含めた南極観測事業への貢献や、観測が困難であった熱圏の風・温度を計測するファブリ・ぺロー干渉計の開発、あけぼの衛星搭載の磁力計やのぞみ衛星搭載の惑星大気観測用水素吸収セルの開発など、新たな観測装置の開発や新たな分野への挑戦を絶え間なく続け、これらを通して、現在日本地球惑星連合で活躍する多くの研究者を輩出した.

・推薦者

塩川 和夫