瀬野 徹三(Tetsuzo Seno)先生
・受賞理由/Commendation
テクトニクス,とくにプレートテクトニクス,地震テクトニクス分野における顕著な功績により
For outstanding contributions to tectonics, in particular plate tectonics and seismotectonics
・経歴
1980年3月 東京大学大学院理学系研究科地球物理学専門課程博士課程修了.理学博士取得.
1980年4月 建設省建築研究所国際地震工学部研究員(〜1986年3月).
1981年4月 スタンフォード大学研究員(〜1982年8月).
1986年4月 建設省建築研究所国際地震工学部主任研究員
1988年8月 東京大学地震研究所助教授
1995年4月 東京大学地震研究所教授
2016年3月 東京大学を定年退職.名誉教授.
・主要論文
1. Seno, T., The instantaneous rotation vector of the Philippine Sea plate relative to the Eurasian plate, Tectonophys., 42, 209-226, 1977
2. Seno, T., and S. Maruyama, Paleogeographic reconstruction and origin of the Philippine Sea, Tectonophys., 102, 53-84, 1984
3. Yamasaki, T., and T. Seno, Double seismic zone and dehydration embrittlement, J. Geophys. Res., 108 (B4), 2212, doi:10.1029/2002JB001918, 2003
4. Seno, T., Determination of the pore fluid pressure ratio at seismogenic megathrusts in subduction zones: Implications for strength of asperities and Andean-type mountain building, J. Geophys. Res., 114, B05405 doi:10.1029/2008JB005889, 2009
5. 瀬野徹三 南海トラフ巨大地震-その破壊の様態とシリーズについての新たな考え-地震, 64, 97-116, 2012
・主な業績
瀬野徹三氏は,フィリピン海プレートの相対運動の決定により,グローバルなプレートテクトニクス研究に本質的な貢献をなすと共に,南海トラフにおける巨大地震の長期的な発生予測の基礎を築いた.またプレートの力学特性に関する研究により地震発生における水の存在の役割を明らかにした.さらにプレートテクトニクスに基づき地震発生・活動を解明する地震テクトニクスにおいて,日本列島を含む沈み込み帯における地震発生に関する多様な研究・考察をおこない分野を先導した.
・推薦者
川勝 均