JpGUフェロー

木村学(Gaku Kimura)先生

・受賞理由

詳細な付加体内部構造の解明と国際学術協力への顕著な貢献により

For outstanding contributions to detailed analysis on internal structures of accretionary complex and to the promotion of international collaboration

・経歴

  • 1981年4月 日本学術振興会奨励研究員
    1982年5月 香川大学教育学部専任講師
    1984年10月 香川大学教育学部助教授
    1994年4月 大阪府立大学総合科学部教授
    1997年8月 東京大学大学院理学系研究科・地質学専攻教授
    2000年4月 東京大学大学院理学系研究科・地球惑星科学専攻教授
    2016年3月 同上退職
    2016年4月 東京大学名誉教授
    2016年4月 東京海洋大学海洋資源環境学部特任教授
    2021年3月 東京海洋大学海洋資源環境学部退職
    2020年4月 国立研究開発法人海洋研究開発機構海底地震火山研究部門アドバイザー

・主要論文

  • Kimura, G. (1986). Oblique Subduction and Collision: Forearc Tectonics of the Kuril Arc, Geology, 14, 404-407.
  • Kimura, G., & Tamaki, K. (1986). Collision, Rotation and back-arc spreading in the region of the Okhotsk and Japan Seas, Tectonics, 5, 389-401.
  • Kimura, G., & Ludden, J. (1995). Peeling oceanic crust in subduction zones, Geology, 23, 217- 220.
  • Kimura, G., Yamaguchi, A., Hojo, M., Kitamura, Y., Kameda, J., Ujiie, K., Hamada, Y., Hamahashi M. & Hina, S. (2012). Tectonic mélange as fault rock of subduction plate boundary, Tectonophysics, 568-569, 25-38.
  • Kimura, G., Hashimoto, Y., Kitamura, Y., Yamaguchi, A. & Koge, H. (2014). Middle Miocene swift migration of the TTT triple junction and rapid crustal growth in southwest Japan- A review, Tectonics, 33, 1219-1238.

・主な業績

木村博士は,北海道東部でのプレート斜め沈み込みに伴う前弧スリバー活動の指摘や,西南日本四万十帯に露出する白亜紀・古第三紀付加体内部に発達する覆瓦構造の好例の明示,さらにカナダの太古代地質体の中での類似の付加体構造認定などの研究成果を挙げた.近年では,南海トラフで形成中の現世付加体の大規模掘削計画において,リーダーの一人として活躍し,付加体内部で形成される分岐断層システムを含む海底下の詳細な地質構造の解明を牽引した.さらに,日本と合衆国の地球惑星科学コミュニティ間の学術方針の共有と密接な交流を提案し,JpGU-AGUの共同大会開催の実現を導いた.JpGUおよび関連学協会の国際的立場を大いに向上させた貢献は高い.

・推薦者

山口飛鳥

・サポーター

平 朝彦,木下正高,橋本善孝