藤井 良一(Ryoichi Fujii)先生
・受賞理由
磁気圏・電離圏・熱圏結合の先駆的研究、 及び国際共同研究のプラットフォーム構築を通じた太陽地球系科学への顕著な貢献により
For outstanding contributions to the solar-terrestrial physics through pioneering research in magnetosphere-ionosphere-thermosphere coupling, and through organizing international cooperative research platform
・経歴
- 1977年8月 国立極地研究所研究系助手
1992年4月 名古屋大学太陽地球環境研究所助教授
1995年8月 名古屋大学太陽地球環境研究所教授
2004年4月 名古屋大学総長補佐（研究推進担当）
2005年4月 名古屋大学太陽地球環境研究所所長
2009年4月 名古屋大学理事・副総長
2016年1月 情報・システム研究機構理事
2017年4月 情報・システム研究機構長
2023年4月 情報・システム研究機構 国立極地研究所・特任教授
2023年6月 公益財団法人 日本極地研究振興会・理事
2023年11月 公益財団法人 日本極地研究振興会・理事長
・主要論文
- R. Fujii, T. Iijima, T. A. Potemra, M. Sugiura,Seasonal dependence of large-scale Birkeland currentsGeophys. Res. Lett., VOL. 8, No. 10, 1105-1106, 1981
- R. Fujii, R. A. Hoffman, P. C. Anderson, J. D. Craven, M. Sugiura, L. A. Frank, N. C. Maynard,Electrodynamic parameters in the nighttime sector during auroral substormsJ. Geophys. Res., VOL. 99, No. A4, 6093-6112, 1994,
- Ryoichi Fujii, Satonori Nozawa, Nobuo Matuura, Asgeir Brekke,Study on neutral wind contribution to the electrodynamics in the polar ionosphere usingEISCAT CP-1 data,J. Geophys. Res., VOL. 103, NO. A7, 14,731-14,739, 1998
- Ryoichi Fujii, Satonori Nozawa, Stephan C. Buchert, Asgeir Brekke,Statistical characteristics of electromagnetic energy transfer between the magnetosphere,the ionosphere, and the thermosphere,J. Geophys. Res., VOL. 104, NO. A2, 2357-2365, 1999,
- R. Fujii, O. Amm, A. Yoshikawa, A. Ieda, H. VanhamäkiReformulation and energy flow of the Cowling channel,J. Geophys. Res., VOL. 116, A02305, 2011
・主な業績
藤井良⼀博⼠は、地球の磁気圏−電離圏−熱圏結合に関する先駆的研究業績をあげ、太陽地球系科学の発展に貢献した。複数の⼈⼯衛星観測データの解析から、ビルケランド電流の主発⽣源が磁気圏対流電場に関連する電圧駆動源であることや、オーロラサブストームに関連する沿磁⼒線電流の分布や、電場と対流との関係などの電磁気特性を世界で初めて⽰した。また、 EISCAT レーダーの観測から、磁気圏−電離圏−熱圏結合における中性⼤気の運動の重要性を発⾒した。さらに、ホール及びペダーセン電流、沿磁⼒線電流の関係を再評価し、カウリングチャネル内の電場と電流の動態を正確に説明する新モデルを提唱した。加えて、 地球惑星科学分野の共同利⽤を推進し、国内外の学術団体の要職を歴任するとともに、我が国の地球惑星科学分野の⼤型研究計画の⽴案促進に尽⼒し、 太陽地球系科学、地球惑星科学の学術全体の中での地位向上に多⼤な貢献をなした。
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・推薦者
中村 卓司
・サポーター
小川 泰信, 塩川 和夫, 田近 英一