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津田 敏隆(Toshitaka Tsuda)先生

・受賞理由

大気リモートセンシング技術の開発による大気の力学的な上下結合の研究と国際学術研究発展への顕著な貢献により

For outstanding contributions to the study of atmospheric vertical coupling by developing novel atmospheric remote sensing techniques and to the development of international collaboration

・経歴

  • 1977 年4 月 – 1987 年3 月 京都大学 工学部 助手
    1987 年4 月 – 1995 年3 月 京都大学 超高層電波研究センター 助教授
    1995 年4 月 – 2004 年3 月 京都大学 宙空電波科学研究センター 教授
    2004 年4 月 – 2017 年3 月 京都大学 生存圏研究所 教授
    2010 年4 月 – 2016 年3 月 京都大学 生存圏研究所 所長
    2012 年10 月 – 2016 年9 月 京都大学 副理事
    2013 年5 月 – 2017 年3 月 京都大学 国際高等教育院 副教育院長
    2017 年4 月 京都大学 名誉教授
    2017 年4 月 – 2022 年9 月 情報・システム研究機構 理事
    2017 年4 月 – 現在 京都大学 生存圏研究所 特任教授

・主要論文

  • Tsuda, T., T. Inoue, D. C. Fritts, T. E. VanZandt, S. Kato, T. Sato, and S. Fukao, MST radar observations of a saturated gravity wave spectrum, J. Atmos. Sci., 46, 2440-2447, 1989.
  • Tsuda, T., Y. Murayama, M. Yamamoto, S. Kato, and S. Fukao, Seasonal variation of momentum flux in the mesosphere observed with the MU radar, Geophys. Res. Lett., 17, 725-728, 1990.
  • Tsuda, T., Y. Murayama, H. Wiryosumarto, S. Woro B. Harijono, and S. Kato, Radiosonde observations of equatorial atmosphere dynamics over Indonesia, Part I: Equatorial waves and diurnal tides, J. Geophys. Res., 99, 10491-10505, 1994.
  • Tsuda, T., M. Nishida, C. Rocken and R. H. Ware, A global morphology of gravity wave activity in the stratosphere revealed by the GPS occultation data (GPS/MET), J. Geophys. Res. – Atmospheres, 105, 7257-7273, 2000.
  • Tsuda, T., Characteristics of atmospheric gravity waves observed using the MU (Middle and Upper atmosphere) radar and GPS (Global Positioning System) radio occultation, Proceedings of the Japan Academy, Series B, Physical and Biological Sciences, 90, 12-27, 2014.

・主な業績

津田敏隆博士は，流星レーダー，中層・超高層大気レーダー（MU レーダー），RASS 気温観測，GPS 掩蔽観測等，多様な気温・水蒸気計測技術を開発して大気波動の研究を進め，特に大気重力波による運動量フラックスの推定を世界に先駆けて行って，大気波動を通じた大気の力学的な上下結合の本質的重要性を示した．また，インドネシア赤道域におけるフィールド観測を実現して赤道域における大気波動の研究を進め，熱帯域の対流圏界面がケルビン波の影響で大きく変動すること，成層圏における大気重力波が背景東西風の準二年周期変動と関連することを解明した．さらに，GPS 電波掩蔽データを用いて大気重力波や電離層擾乱の全球分布を世界で初めて明らかにし，GPS 気象学の確立に大きく貢献した．このように，大気リモートセンシング技術の開発に基づく大気圏科学研究において，国内並びに国際的に長く影響を与える研究成果を挙げた．加えて，日本の地球惑星科学コミュニティが米欧の地球惑星科学コミュニティと密接に協力できる体制を確立するとともに，国際的な活動におけるリーダーシップを発揮するにあたり顕著な貢献を行った．

・推薦者

山本 衛

・サポーター

藤井良一，佐藤薫，中村卓司