西田 篤弘 (Atsuhiro Nishida) 先生
・感謝状贈呈理由
日本学術会議会員の立場から日本地球惑星科学連合設立を強力に支援されたほか,地球惑星科学分野全体の若手研究者を対象とする西田賞を創設するなど,日本地球惑星科学連合の発展に多大な貢献をされた.
・経歴
1958年 東京大学理学部地球物理学科卒業
1962年 Ph.D University of British Columbia (Canada)
1981年 東京大学宇宙科学研究所教授(併任)東京大学理学部教授
1996年 宇宙科学研究所長
2000年 日本学術会議会員
2000年 アメリカ地球物理学会(AGU) Van Allen Lecturer
2001年 ヨーロッパ地球物理学会(EGU) Hannes Alfven Medal
2001年 日本学士院賞
2008年 日本学士院会員
2012年 文化功労者
・コメント
かつて学術会議の会員として第4部(理学)の会議に出席するようになった時、気になることがありました。物理学や化学の会員達が物理分野全体や化学分野全体を背景として広い視野から発言するのに対して、地球科学分野の会員は個別の専門分野(地震、台風、磁気嵐、などのいずれか)の代表のように見えたのです。地球科学が元を糺せばこれらの擾乱発生を予知して災害を防ぐという目的から生まれたことを反映していたのでしょう。しかしプレートテクトニックスや人工飛翔体による探査などの到来によって地球惑星科学を総合的にとらえることが必要になっていると思い、同じようにお考えの方々を支持しました。2005年に行われた日本学術会議の組織改革を契機に「日本地球惑星科学連合」が常設の組織として誕生したのは画期的な一歩であったと思います。
西田賞につきましては、文化功労者として顕彰して頂いたのを機会に、学界へのご恩返しとして寄付をさせていただいています。