西田賞

三好 建正(Takemasa Miyoshi)

・受賞理由/Commendation

局所アンサンブル変換カルマンフィルタによる数値データ同化手法の高度化の研究

Studies on advanced data assimilation for improving numerical weather prediction using the local ensemble transform Kalman filter

・主な業績 Major achievements (in Japanese)

データ同化は、シミュレーションと実測データを融合する統計数理の一分野で、天気予報の精度を左右する重要な役割を果たす。三好氏は、局所アンサンブル変換カルマンフィルタLETKFという大規模シミュレーションに適した高度な手法を用い、世界で初めてスーパーコンピュータ「京」を使って世界最大規模の全球大気アンサンブルデータ同化に成功するなど、最先端の研究を進めている。LETKFコードは三好氏自身が独自に開発、そこで使われている適応型バイアス補正法や適応型分散膨張法などの新規技術により、実際の数値天気予報への応用に耐える世界でも有数のシステムとなった。最新の開発コードは公開され、日本、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、ドイツなど様々な国で、現業数値予報システム開発現場や、大学や研究機関での研究・教育に幅広く利用されている。三好氏は、これら新しい発想による優れた研究成果を多くの学術論文として発表しており、きわめて高い国際的評価を受けている。

・推薦者/Nominator

佐藤 正樹 (Masaki Satoh)