JpGUフェロー

河野 長 (Masaru Kono) 先生

・受賞理由/Commendation

地球電磁気学,特に古地球磁場強度,地球磁場シミレーションに分野における顕著な功績により

for outstanding contributions to geoelectromagnetism, in particular to the simulation of the geomagnetic field and to the understanding of paleomagnetic intensity.

・経歴

1968年東京大学理学部助手
1974年東京大学理学部助教授
1981年東京工業大学理学部教授
1993年東京大学大学院理学系研究科教授
1998年岡山大学固体地球研究センター所長
2005年東京工業大学名誉教授、岡山大学名誉教授
2006年東京工業大学グローバルエッジ研究院特任教授

・主要論文

  1. Kono, M. and Nagata, T. (1967) Intensity of the geomagnetic field during a reversed polarity, Nature, 212, 274–275.
  2. Kono, M. (1971) Intensity of the earth’s magnetic field in Pliocene and Pleistocene in relation to the amplitude of mid-ocean ridge magnetic anomalies, Earth Planet. Sci. Lett., 11, 10–17.
  3. Heki, K., Hamano, Y. and Kono, M. (1983) Rotation of Peruvian Block from palaeomagnetic studies of the Central Andes, Nature, 305, 514–516.
  4. Tanaka, H., Kono, M. and Uchimura, H. (1995) Some global features of paleointensity in geological time scale, Geophys. J. Int., 120, 97–102.
  5. Kono, M. and Roberts, P.H. (2002) Recent geodynamo simulations and observations of the geomagnetic field, Rev. Geophys., 40, doi: 10.1029/2000RG000102.

・主な業績 Major achievements (in Japanese)

1960年代後半以降現在までの古地磁気学の発展経過に対応して、地球電磁気学、古地磁気学の進展に様々な局面で重要な貢献をされた。特に、岩石によって過去の地球磁場強度が求められることを世界で初めて示された。その結果、様々な年代をもつ火山岩を用いて過去の地球磁場強度を復元する可能性を開き、過去の長期にわたる磁場強度測定に道筋をつけた貢献は極めて大きい。その後、国内外の広範なフィールドワークと実験装置改良等を行いながら、過去数千万年間の火山岩を用いて地球磁場強度を測定し、地磁気変動モデルに重要な制約を与えられた。また、地球ダイナモの理論的研究も行い、古地磁気データとシミュレーションモデルを融合する研究分野を精力的に切り開かれた。さらに、IAGA会長、IUGG会長等を務め、研究分野間の関係強化を通して地球惑星科学全体の発展に重要な役割を果たしてこられた。

推薦者/Nominator

綱川秀夫