JpGUフェロー

平井 寿子(Hisako Hirai)先生

・受賞理由/Commendation

クラスレート化合物などの高圧物質科学とその地球惑星内部への適用に関する顕著な貢献により

For outstanding contributions to high-pressure materials science of clathrates and other materials, and their applications to Earth and Planetary Interiors

・経歴

1989年 東京工業大学無機材料工学科助手
1990年 同大学工業材料研究所(現フロンティア材料研究所)助手
1997年 筑波大学地球科学系講師
2004年 法人化に伴い大学院生命環境科学研究科地球進化科学専攻に改組
2009年 愛媛大学地球深部研究センター COE教授
2013年 愛媛大学地球深部研究センター 特命教授
2016 年 立正大学地球環境科学部 特任教授 (2021年3月退職)

・主要論文

  • 1. Arai, S. and Hirai, H. (1985) Relics of H2O fluid inclusions in mantle-derived olivine. Nature, 318, 276-277.
  • 2. Hirai, H. and Kondo, K. (1991) Modified phases of diamond formed under shock compression and rapid quenching. Science, 253, 772-774.
  • 3. Hirai, H., Terauchi, M. Tanaka, M. and Kondo, K. (1999) Band gap of essentially fourfold-coordinated amorphous diamond synthesized from C60 fullerene, Phys. Rev. B, 60, 6357-6361.
  • 4. Hirai, H., Tanaka, T., Kawamura, T., Yamamoto, Y. and Yagi, T. (2004) Structural changes of gas hydrates and stability of a filled ice structure of methane hydrate above 42 GPa, J. Phys. Chem. Solid, 65, 1555-1559.
  • 5. Hirai, H., Kadobayashi, H., Hirao, N., Ohishi, Y., Ohtake, M., Yamamoto, Y. and Nakano, S. (2015) Time-resolved x-ray diffraction and Raman studies of the phase transition mechanisms of methane hydrate. J. Chem. Phys. 142, 024707.

・主な業績

透過電子顕微鏡等を用いたガーネットやオリビンなどの微細組織の解析から岩石の成因を解明する電子顕微鏡岩石学を開拓し,炭素クラスレート(C60フラーレン)のダイヤモンドへの転換機構を解明した.さらに,メタンや水素など含む様々なガスハイドレートの圧縮挙動と相変化の一般側を構築し,ガスハイドレートの転移機構を解明した.また,ゲスト分子の配向秩序化の段階的進行とケージを作るホスト水分子の水素結合対称化というクラスレートハイドレートの超高圧安定性を見出し,圧力変化にともなう“構造進化”の概念を提案し,それらの惑星内部での重要性を指摘した.メタンハイドレートが,高圧下で固体メタンと高圧氷に固相分解し,さらに高温下ではメタンの分子乖離により水素とダイヤモンドが生成することを立証した.以上のように,クラスレートなどの地球物質の物理化学研究とその地球惑星内部への適用に関する独創的で優れた研究成果を挙げた.

・推薦者

大谷栄治