セクションサイエンスボード −大気海洋・環境科学セクション
大気海洋・環境科学分野の現状とビジョン
はじめに
大気海洋・環境科学セクションは、われわれが棲んでいる陸域表層と大気、そして生命の源である海など、我々にとってもっとも身近な地球表層系を扱う研究を振興することを目指す。この分野には、気象災害や地球環境問題など、生活に密接した大切な問題が多く含まれており、現象の理解とそのモデリングは非常に重要である。そのため、大気や海洋、自然環境に関わるそれぞれの研究は、すでに気象学会や海洋学会をはじめとする長い歴史を有する個々の学会において扱われてきた。しかし、我々の理解が深まるにつれて、サブシステム(大気、海洋、陸域表層)間の相互作用の理解や複雑系としての問題把握などが新しい焦眉の課題になってきた。このような状況のもとで、本課題を地球惑星科学の中できちんと位置づけて議論することが非常に有効である。このような理念のもとに、多くの研究者と学生が連合のもとに結集して、新しい次元の連携と切磋琢磨をすることが求められている。
さまざまな研究分野
セクションの活動
本セクションにおいて、その研究の振興を実現するには次のような活動が重要である。
・研究交流の場の確保:
大気と海洋を含む地球表層系とそれを自然環境としてとらえた様々な研究を発表する場を提供すること。同時にこれらの様々な研究間の交流を通して、地球表層系をシステムとして理解する研究を醸成する。連合大会において魅力あるセクションを構成すると同時に、様々な機会をとらえて国内外の研究交流の場の設定と参画をおこなう。
・良い研究環境の創出:
個々の研究者が独創的で高度な研究を推進したり、関係する社会の様々な部分がこれらの知見の波及効果を生み出す環境を作る必要がある。自立した研究者と、次世代を担う若手や学生が生き生きと活動できる場を作り出すことが必要である。特に、近年のポスドク問題などを軽減し、若手が自立した研究者として育ってゆくための環境を作らなければならない。
・表層系研究の知識アーカイブの創出:
すでに情報発信は新しい時代に突入しており、電子媒体を使った地球表層系の研究成果の迅速な発信と、誰でもが自由に閲覧できる場の確保が重要である。そのために、多国籍の研究者の間の様々な情報交換手段(電子ジャーナル、研究資料アーカイブ、フォーラム)を提供することが必要である。
|