JpGU-AGU Joint Meeting 2020: Virtual
事後アンケートコメントに対するQ&A
事後アンケートにご協力いただきありがとうございました.選択肢による回答分布はJpGUメールニュース8月号にお知らせしました(>800件)が,同時にいただいた多くのコメントにつきまして,次回以降の大会運営改善に向けて参考にさせていただきます.また,一部ではありますが,多くの方々からいただいたコメントについて,Q&A方式で,みなさまへ経緯,事実関係の説明を用意しました.この度のオンライン大会では,講演発表プラットフォームにまつわるシステムダウンなどの不具合に加え,情報集約の不備や情報伝達の遅延など,準備不足等によって,皆さまに多大なご迷惑をおかけいたしましたことを,ここに深くお詫び申し上げます.

今回の大会で得られた経験や教訓をもとに,皆さまの声に真摯に耳を傾けながら,次回大会へ向けて関係者一同努力してまいりますので,ご理解・ご協力いただけますよう,よろしくお願い申し上げます.

なお,大会運営の実務につきましてはJpGUの運営責任のもとに行われたものです.以下の記述で今回採用したプラットフォーム名が頻出しますが,あくまで本大会で起きたシステム管理運営上の問題の説明に限定しており,プラットフォームそのものの評価を意図するものではありません.

2020年10月1日
大会運営委員会・ネット開催コア
Q&A INDEX
1. ライブ(ビデオ会議) 配信(DFS(Discussion Forum Session),イベント,レクチャーなど)
Q1-1. ビデオ会議に入れない,音声が聞こえない等のネットワークトラブルが頻発したのはなぜですか?
大会初日にアクセスが想定以上に集中したため,ポータルサイトがサーバダウンしました.そのため,大勢の方々がDFS会場(ビデオ会議)に入れない状況が生じてしまいました.この問題に関しては,急遽サーバを増強して対応致しました.一方,音声問題に関しては,参加者側の設定やネットワーク環境にも起因していた可能性がありますが,大会期間中に十分に把握・対応することが出来ませんでした.
Q1-2. 共有画面が正しく表示されない,動画の音声が再生されない,ブラウザがGoogle Chromeに限定される,などの数多くのトラブルを引き起こした原因である,ウェブ版Zoomを採用したのはなぜですか?
ウェブ版Zoomを採用した最大の理由は,ポータルサイトからビデオ会議に接続する際に接続先ビデオ会議のURL (もしくはID)およびパスワードの表示・入力を不要とすることで,URLおよびパスワード漏洩(事故的に漏洩することも含めて)によるサイバー攻撃(cyberattack)を防ぎ,フリーライダー(参加登録なしに無料で視聴する参加者)を極力なくすためでした.これはポータルサイトを介せばクリックのみでビデオ会議に接続できることによるものですが,これによって, 30チャンネル弱あるビデオ会議会場へクリックするだけで接続できる操作性にも配慮した仕様が可能となることもメリットだと考えました. しかしながら,スケジュールが遅れ,委託業者からポータルサイトが納品されたのが大会数日前となってしまいました.そのため,ブラウザが限定されるなどの情報が直前になって判明し,事前の動作テストで発見された幾つかの問題は修正しきれないまま本番に臨む結果となり,それらの問題について十分周知することができませんでした.
次回には,どのようなプラットフォームを採用するにせよ,十分な時間をとって準備・周知します.
Q1-3. DFSにはZoomのアプリを使用し,参加者間でURL・パスワードを共有するなどして簡便に安定して行なえる方法を検討すべきでは?
Zoom聴講のみの参加者の参加料金を低額ないし無料にすることでZoomフリーライダー問題(参加登録なしに無料で視聴することが可能になってしまう問題)をクリアする可能性も検討しています.たとえば,Zoom発表希望者の投稿料金を上げる一方,参加料金は割安に設定して,参加者間でIDとパスワードを共有する方策などが考えられます.
Q1-4. DFSの内容を知ることができる一覧がなかった.
事前に各セッションコンビ―ナからDFSの内容についての詳細を提出していただいておりましたが,他の準備で時間と人手が不足してしまい,結果的にDFSの内容一覧のWeb公開が間に合いませんでした.次回はこのような情報を確実に提供できるよう,体制を含めて準備するようにいたします.
Q1-5. DFSの進め方が個々のセッションの自主管理であったため,コンビーナの負担が極めて大きく,これによって結果的にセッションごとの盛り上がりに大きな差が出た.
DFSについては,今回初めての試みだったにもかかわらず,大変不親切なご提案となってしまいました.次回大会でもDFSを行うことにする場合には,発表形態の選択肢をいくつかご提案し,コンビーナの方に選んでいただけるようにするなど検討します.
Q1-6. DFSの開催時間帯が午前中限定であったが午後も開催して欲しい.
今大会はAGUとの共催だったため,アメリカとの時差を考慮したことが,DFSを午前中に開催した理由の一つです.ヨーロッパとの時差も考慮して,EGUとの共催セッションの幾つかは午後に開催することにいたしました.もちろん,日本語セッションも含めて,もう少し柔軟に考えてもよかったかも知れません.しかし,30チャンネル弱のビデオ会議の管理運営を,9つの拠点大学の先生方にボランティアでお願いしていたため,休日や長時間にわたるビデオ会議管理をお願いすることは難しい状況でした.来年の大会もオンライン開催の場合には,午後にもセッションを開催できるように検討いたします.
Q1-7. いつ・どこで・どのようなイベントがあるのか,プログラムを見ても全く分からなかった.
大変ご不便をおかけしました.同様の声をたくさん頂戴しており,その状況はよく認識しております.すべて準備不足と人手不足によるものです.来年の大会では,イベント一覧やより分かりやすいプログラム一覧などを作成し,早期に周知するように努めます.
Q1-8. DFSでは全体的に講演時間が不足していたのではないでしょうか?質疑応答の時間が全くないセッションもありました.
もともとDFSは時間が限られているため,どのように時間を使うかは各セッションコンビーナの判断に任されていました.主として議論を行うことにしたDFSではそうした問題はなかったかと思いますが,主として口頭発表を行うことにしたDFSの場合,発表数をしぼって講演時間を確保するか,講演時間を短くして発表数を増やすか思案されたものと思います.後者の場合,講演時間が短すぎたり質疑応答時間がほとんどとれなかったりしたのかと思われます.ただし,開場時刻がDFS開始時刻直前であったことや,開始時の準備に想定以上の時間がかかったこと,各講演の切替等にも想定以上に時間がかかってしまったことなどにより,余計に時間が足りなくなった状況もあったようです.来年の大会がオンライン開催となった場合には,DFSを行うかどうかを含め,より円滑な進行ができるような工夫を検討いたします.
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2. オンラインポスター閲覧
Q2-1. オンラインポスター閲覧の不具合が多かった.また,不安定な時があった.
iPosterは,AGUが2017年から採用し,AGU Fall Meeting 2019では1,000件以上の発表実績があったこと,今年の大会はJpGU-AGU Joint Meetingであること,などを踏まえて,今回採用に踏み切ったという経緯があります.今年の大会では,原則的に発表はすべてポスター形式となったことから,何か先進的なポスター発表システムを採用できないかという意向もありました.しかしながら,今回のiPoster件数(4,000件以上)においては,スケジュールおよびシステム管理にも問題が生じた結果,閲覧の中断など多くの皆さまに多大なご迷惑をおかけすることになってしまいました.今後は,安定性を重視した検討を進めていきたいと思います.
Q2-2. 不具合に対する対応が非常に悪かった.
対応は誠意を持って行いましたが,サーバーダウンなどに伴い,多くの表示不具合(百数十件程度)が一度に発生したため,対応が追いつきませんでした.不具合発生時に,迅速な情報伝達と情報共有,サポートができるよう,運営委員会や事務局の体制,対応方法などについて改めて検討いたします.
Q2-3. iPosterにコメントを残しておけなかったり,チャットの不具合などで議論が十分できなかったりした.
サーバーダウン,システムリセットなどから波及的にシステム管理に不具合が生じたこと,本当にご迷惑をおかけしました.コメントを残す機能については,今後の機能改善点とさせてください.今後はより活発に議論しやすい環境であることも重要な条件としたいと思います.
Q2-4. 検索機能が使いづらく,目当てのiPosterになかなか辿り着けなかった.また,他のiPosterを見る際に毎回検索を始めからしなくてはならず,非常に使い勝手も悪かった.
iPosterの検索機能に関するご指摘は今後の改善点と認識しております.
Q2-5. 個別のiPosterが今後閲覧可能かどうかに関わらず,予稿を含む発表内容は今後引用可能でしょうか?
はい,著者名,タイトル,学会名などを明記して,その内容を適切な方法で引用していただくことが可能です.ただし,講演によっては著者の判断で非公開もしくは内容消去とされている場合がありますので,オンライン上で長期にわたって閲覧可能な予稿(abstract)を引用していただく方が適切と考えられます.iPosterの詳細な内容について引用されたい場合には,著者に問い合わせていただき,引用方法についてもご確認ください.
Q2-6. iPosterのような新しいプラットフォームを使うに当たり,発表・閲覧共に,準備期間が短かったので,機能を使いこなせなかった.
今回は急遽オンライン開催となったため,大会開催時期を7週間延期しましたが,準備に予想以上に時間がかかってしまい,発表者や参加者に十分な準備期間を確保していただけなかったことは大きな反省点です.今後は,新しいシステムを採用する場合には十分な時間を確保していただけるように心がけます.
Q2-7. 高校生のiPoster発表時間にシステムダウンとなり,非常に問題であると感じた.
高校生の方々には,貴重な発表の機会であったにもかかわらず,システムの不具合によって大変なご迷惑をおかけすることになってしまい,私たち主催者側も大変大きなショックを受けております.関係者の皆さまには心からお詫び申し上げます.何とか代替措置を取れないかということで,大会期間を7月19日(日)まで延長してiPosterの発表期間を延ばすとともに,7月19日(日)をパブリックデーとし,高校生セッションのチャットのコアタイムを設定して,希望される高校のポスター発表者と大会参加者との間でコミュニケーションが取れる機会を確保いたしました.ただ,ちょうど高校の期末試験の時期と重なり,当日の参加が難しいとの声を多数いただき,大変心苦しく思っております.しかしながら,結果的には61件の発表が成立し,研究者による審査も実施し,(不具合が生じたことを考慮し,最優秀研究賞はあえて決定しませんでしたが)優秀研究賞と研究奨励賞,そして今回特別に優秀ポスター賞の選考も行い,賞の授与を行うことができました.

次回も,もしオンライン開催となった場合には,システムダウンのないよう万全を期すととともに,万が一にも貴重な機会を無駄にしないで済むよう,高校生が参加される日曜日を大会初日には設定しない,などの改善を検討しています.
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3. オンラインポスター作成・発表
Q3-1. なぜ,iPosterを今回の学会発表の主要プラットフォームに選択したのか?
経緯を少々詳しく説明いたします.まず,テレワークやオンライン講義が隆盛となるなか,国内外のネットワーク負荷の増大や,家庭回線がメインになることによる接続不安定性に対する懸念,さらに今回はAGUとのジョイント大会であったことから海外参加者との時差対応なども鑑み,Zoomなどのライブ配信による口頭発表の成立性・公平性の確保が難しいと判断し,すべての講演をポスター発表とし,それを発表成立の要件としました(なお,口頭による議論は,発表成立の必要条件とはしないDFSという形で実装しました).その上で,ポスター発表が単なるポスターの掲示に終わることなく,参加者との双方向コミュニケーションを可能とするものであることが望ましいということで,どのような形式が最善か模索しました.
当初は,プラットフォーム上の各発表者のスペースにポスターPDFを掲載していただくだけの簡単なものを検討していましたが,できれば閲覧方法や双方向コミュニケーションといった点の利便性も考慮したいということになりました. 一方,AGUは2017年からiPosterプラットフォームを採用しています.2019年のAGU Fall Meetingにおいては,約1,000件の発表実績があった上,ポスターであっても動画や音声などを組み込むことやチャット機能を活用でき,発表者と参加者との密接な双方向議論が滞りなくできることが想定できました.今年の大会はAGUとのジョイント大会であったこともあり,当該システムの利用について,関係者間の事前協議(リモートの会合,メール連絡)を積み重ね,また,4月中旬以来JpGU有志によるiPosterシステム実地動作テストも行い,改善点の指摘,協議を続けました.
また,今年の大会における約5,000件の発表に対し,ポスター作成・閲覧にかかるネットワーク接続負担,ユーザーインターフェース(日本語化も含めて)の使い勝手,ならびにchatなどの双方向コミュニケーションツールの導入,簡便な作成方法など,ポスターの作成とセッションの運用に問題なく利用できることを確認した上で,iPosterシステムを正式に採用することになりました.
ところが,取扱件数による影響や,JpGU側が採用している大会参加者のID認証方式との連携などのテクニカルな作業に思いのほか時間がかかり,ポスター作成者の皆さまに十分なポスター作成・運用マニュアルならびにトレーニング機会の提供ができませんでした.
また,背景には,世界的なオンライン学術会議の需要急増が,関係企業の業務に大きな影響を与えたこともあり,それが我々のスケジュールに影響することなどを認識できていませんでした.こうした理由により,今回の大会おいて度重なるトラブルに見舞われたと考えられます.一部の参加者の方々は度重なるポスターデータの消失が発生した他,コミュニケーションツールの不備など多大なるご迷惑をお掛けしました.
今後は,参加者のみなさまからのフィードバックを取り入れ,よりシンプルで安定したより使い勝手の良いセッション運営方法の提供を心がけ,また十分に余裕を持った時期に利用方法の説明等をお知らせします.
Q3-2. iPosterを用いて,双方向議論を行いたかったが,うまくいかなかったのはどうしてか?
大会運営側からは,ビデオ会議などの双方向議論に必要なツールのシステムへの組み込みを,採用決定段階から要求しておりましたが,作業進行の遅れから,十分満足できるツールを提供することができませんでした.しかしながら,双方向の議論はポスター発表にとってきわめて重要であると認識しております.もし次回もオンライン開催になる場合,より良い発表プラットフォームの提供を行うべく,他学会の動向や運営状況の確認を行っており,さらに議論を深め,改善に努めます.
Q3-3. iPosterのデータマネージメント(ポスター自体の消失,検索機能の不備,期間中における長時間のメンテナンスを余儀なくされる)の対応について,運営側はどのように考えているのか?
データマネージメントとその対応の遅れについては,私たち大会運営側としても大きな課題を残したと認識しています.とりわけ,一部のiPosterについては,データの消失が繰り返し起こり,大変なご迷惑をおかけすることになってしまいました.大会開催期間中にデータ消失原因の調査,復旧対策などにサーバの停止を含めて時間を要し,参加者にご迷惑をおかけしたことは,痛恨の極みです.今後,システムの選択に当たっては,安定性や信頼性を第一に慎重な検討を行いたいと思います.
Q3-4. ポスター発表のコアタイムについて,なぜ通常開催にあるようなポスターコアタイムを設定しなかったのか?
ポスター発表の共通コアタイムの設定も検討いたしましたが,今年はAGUとのジョイント開催のために,海外との時差があるほか,テレワークなど働き方が人によって大きく異なることなどを鑑みて設定しないことにいたしました.ただし今回,その代替的措置という観点から,口頭セッションとポスターコアタイムを統合したDFSを開催させていただきました.しかし,DFSを開催するセッションと開催しないセッションが混在したり,DFSの内容をコンビーナに一任したりしたことで,DFSの位置づけが曖昧になっていました.一方で,iPosterは期間中24時間閲覧が可能な状態にあり,議論もその都度個別に行われるだろうという運営側の認識もありました.両者について,大会運営側やプログラム委員会から,コンビーナや参加者の皆さまにより具体的かつ明確な指針があるべきでした.次回もオンライン開催になる場合には,DFSを採用するかどうかにかかわらず,発表及び議論が円滑にできると皆さまが感じられるような指針をできる限り迅速にお知らせするよう努めます.
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4. ポータルサイト
Q4-1. ポータルサイトの動線がわかりにくく,欲しい情報にアクセスするのに苦労した.
今後,ポータルサイトと大会プログラムをリンクさせるなど,動線の簡素化ならびに情報の統合・一元化などの工夫をします.また,検索機能を充実して欲しいとの意見も多くありましたので,その点も改善することをお約束します.
Q4-2. ポータルサイトのオープンが直前であったため情報収集が難しかった.
開催方式の検討と詳細な仕様設計に思わぬ時間を要し,結果としてポータルサイトの仕様決定が遅れオープンが会期直前となってしまいました.参加者の皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしました.今後は,ポータルサイトのオープンを早めるなど,大会より十分前に情報の詳細をお知らせできるよう努めます.
Q4-3. 日本語サイトと英語サイトで情報量の差があった.
今回は検討事項も多く,事務局の人手もごく限られていたことから,すべての情報を英語サイトに載せることが間に合いませんでした.今後,情報量の差がないよう,英語サイトの充実を図ります.
Q4-4. 参加者間のコミュニケーションを促進する工夫が必要.
オンライン開催における参加者間のコミュニケーションについては,現在世界中で大きな課題になっているものと認識しています.今後,様々なプラットフォームを検討し,このような規模の大会においても参加者間でコミュニケーションがスムーズにとれるような仕組みを取り入れられるよう,検討いたします.
Q4-5. 推奨環境(Google chrome)を早めに分かりやすく連絡すべき.
システム上の推奨環境の判明が直前となったため,連絡が遅れる結果となりました.今後,大会情報の詳細をできる限り時間的余裕を持って分かりやすく発信するよう努めます.
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5. 出展,セミナー,ワークショップ
Q5-1. iPosterへのアクセス数やアクセス者の属性(高校生,大学生,大学教員,一般,等)などが分かるとありがたい.
iPosterへのアクセス数については,iPosterへログイン後にMY SETTINGSのStatisticsタブで確認できます.ただ,それ以上の情報は記録されていません.大会運営委員会としても,重要な検討事項であると認識しています.
Q5-2. Zoomチャンネルリストが表示されている右側にスポンサーバナーのように出展者一覧が出ていたが,リンク先が各組織のウェブサイトになっていて,ここは各出展者のiPosterへのリンクの方が良かった.
Zoomチャンネルリストは大会ポータルサイト内にあり,出展者のiPosterギャラリーへは比較的アクセスが容易なため,出展者さまのバナー広告からのリンク先は,各出展者さまのウェブサイトへのリンクにいたしました.一方,大会ポータルサイトのトップページからもアクセスできる出展者 (Exhibitors) ウェブサイトからは,JpGUの出展者iPosterへのリンクをご用意していました.大会ポータルサイト内の出展者ウェブサイトでは,出展者さまの検索やクイズラリー,30秒CM動画の一覧など,出展者に関する全ての情報を掲載し,さらに各出展者さまのウェブサイトとiPosterへのリンクもご用意して利便性を図ったつもりでした.今後,みなさまへの周知の徹底と使い勝手を改善し,当初期待した通りの役割を果たせるよう,さらにわかりやすさと利便性を高めるように努めます.
Q5-3. いつ何が開催されているのかの情報が極めて得にくかった.
出展者に関する全ての情報はJpGU大会ポータルサイト内の出展者ウェブサイトに掲載しておりましたが,アクセス方法や情報掲示の仕方など,参加者へのサービスが十分ではありませんでした.今後,できるだけ利便性を高めるよう努めます.
Q5-4. クイズラリー自体は良いと思ったが,全体的に参加者が少ない印象だった.
クイズラリーは,出展者さまのオンラインポスターへのアクセスを促す効果を期待したものでした.ただ,クイズラリーへの参加方法の周知が足りず,参加者は全大会参加者の5%程度でした.出展者さまや個人会員の皆さまから無償提供された景品は,抽選で当選者が決まり,現在順次発送の手続きを進めているところです.今後も,より多くの大会参加者への周知を工夫するなどし,クイズラリーなどの企画をご用意して,出展者さまのウェブサイトへのアクセスを促すように努力いたします.
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6. 参加登録料
Q6-1. 参加登録料金を早期割引1日券その価格としたのはなぜか?
参加登録料は,オンライン開催の場合,これまでの海外での開催状況から,期間中毎日朝から晩まで参加される方は少ないと判断しました.このような参加形態を予想し,通常の「現地全日参加券」料金よりも割安に設定すべきであろうと考えました.具体的には,既存の「1日券」かつ「早期割引」を適用した金額(会員14,300円,学生7,700円)が今回は妥当であると考え,金額設定をいたしました.なお,JpGUの年間の経常費用は,皆さまからいただく大会参加登録料により少なからず支えられています.多くの皆様が本大会に参加していただいたおかげで,財政的影響を最小限に抑えることができ,来年も大会を開催できる見通しになりましたことに,心より感謝いたします.
Q6-2. ビデオ会議やオンラインポスターなどに発生した不具合を考えると高額と感じられる.
決して安くはない大会参加登録料をいただく以上,事前アンケートでいただいたご要望(双方向コミュニケーションの充実や口頭による議論の場の設定など)の実現や,参加登録料金を支払わない参加者(フリーライド)を極力防止する,といった観点から,可能な限り最善のシステムとなるように考えて大会開催方式の採用やシステムの構築をしました.
結果的にポータルサイトやビデオ会議に入れない,ウェブ版Zoomの採用による機能の限定,オンラインポスターシステムのサーバーダウンなどによりiPosterのデータ復旧を余儀無くされるなど,参加者の皆さまには多大なご迷惑をおかけすることとなってしまいました.
今後は,十分な準備と情報共有体制の構築などを入念に行い,皆さまに満足いただける大会を開催できるように努力いたします.
Q6-3. 投稿料をあげて参加費を安くするのが望ましいのでは?
投稿料を上げて,その分,参加登録料を安く設定することで,とくにオンライン開催におけるフリーライド問題(参加費を払わずに参加すること)を気にする必要がなくなれば,大会システムをよりシンプルかつ強固なものにできる可能性があります.また,投稿料を主な財源として大会を開催することは,オープンサイエンスの方向性にも合っているといえるかも知れません(実際,EGUの発表要件にはCreative Commons というオープンサイエンスの考え方が推奨されています).学術大会のあるべき姿とあわせて,そのような考え方について検討させていただきます.
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7. 大会全体
Q7-1. オンライン開催は,コロナ禍にもかかわらず職場や自宅から接続できるメリットがあり,感染予防や時間・経費節約の点などでも良い側面がある.しかし,現地開催と比べると,「交流の場」としてはうまく機能しておらず,工夫が必要である.
本オンライン開催では,複数の方から,現地開催に比べて得られる情報は多いが,人的な交流やネットワーキングの機会が少ない,といったご意見がございました.これは,今大会だけでなく,オンライン会議共通の課題となっているようです.今後,大会運営委員会では,国内外の動向を注視しつつ,オンライン開催のメリットを最大限活かしつつ,魅力的で自由度の高い「交流の場」をどのような形で提供できるかについて検討します.
Q7-2. オンライン開催では,各発表への質問のハードルが,現地開催と比べて高いように感じた.誰がどの程度自分の発表をみたかが分からない点が不満である.オンライン開催のノウハウを工夫して,満足度を高めていく必要がある.
オンライン開催では,発表者や参加者の実際の様子が伝わりにくい,現地開催に比べて質問がしにくい,誰が興味をもってくれたのかが分かりにくいなど,多くのコメントをいただきました.これは,今大会に限らず,オンライン会議共通の課題となっているようです.今後,ご指摘いただきました問題や改善すべき点をふまえ,国内外の動向を注視しつつ,よりインタラクティブでストレスフリーな発表形式を検討します.
Q7-3. 短い準備期間の中でのオンライン開催であり,もう少し簡素化してもよかったのではないか.参加者側もオンラインに慣れるための時間や経験が必要である.
ご指摘通り,大規模なオンライン国際会議の実績や運営ノウハウに係る情報が少ない中では,シンプルで確実に実行可能な開催方式を早期に定め,その実施のための十分な検証と情報周知を徹底すべきだったかも知れません.今後の大会運営においては,今回の経験や反省点を活かし,より確実で安全な開催方式となるように検討と準備をすすめます.
Q7-4. セキュリティを重視しすぎて,ネットワークやブラウザの制約を高め,結果として使い勝手が悪いプラットフォームになっている.この困難な局面でのオンライン開催では,参加者の良心に委ねた方式でも良かったように思われる.
この度は,システムの使い勝手や不具合まで含め,参加者の皆さまに多大なご負担とご迷惑をおかけしました.今後は,参加者の皆さまのセキュリティを確保しつつも,確実で安全な開催方式となるように検討と準備をすすめます.
Q7-5. 参加費等は高くても良いので,研究者のボランティアで運営するのではなく,民間の安定したクラウドサービスを外部委託するなど,参加者がストレスを感じないような運営をお願いしたい.参加者の目線で,大会の準備とシステムの検証をしっかりしてほしい.
日本地球惑星科学連合は,これまでも,毎年国際会議規模の大会を開催しているにもかかわらず,大会参加費をできる限り抑える努力をしてきました.それでも,国内学会の通常の大会よりもずっと高いというご不満があることはよく承知しております.しかし,本来ならば国際会議並みの参加費の設定が必要なところを,通常の国内学会同様,限られた事務局職員と大会運営委員会等の研究者ボランティアの献身的な努力によって,大会参加費をできるかぎり安く抑えてきました.今回のオンライン開催では,そうしたボランティア体制による運営の限界が露呈したといえるかも知れません.今後は,現地開催やオンライン開催などの大会開催方式を問わず,大会に参加していただける全ての方々の視点に立ち,確実で安全な大会運営となるように努めます.大会参加費や投稿料の価格設定やバランス,大会運営に必要な体制やシステムの導入については,会員の皆さまによって考えがさまざまですので,いただきましたご意見や今後の世界的な動向などを踏まえて,引き続き検討していきたいと思います.
Q7-6. セッションやセッション以外のプログラムの詳細がなく,参加予定を立てる上で混乱が多かった.準備状況やトラブル等に関する情報共有が遅いのは問題である.大会サイトや公式SNSアカウントなど,情報の周知方法や構造に改善が必要である.情報を一元化してほしい.
本来であれば,リアルタイムの情報共有はオンライン開催ならではの良さとなるべきものでしたが,事務局の人手がごく限られていることも相まって十分な体制構築ができず,残念ながら今回の大会では,情報共有が遅れ,混乱が生じる結果になってしまいました.また,全プログラム一覧やDFSセッションの詳細についても,見やすさやアクセスの仕方の改善,詳細情報の提供が間に合いませんでした.今後は,情報の一元化や速やかな公式情報の提供をふくめ,今後の大会のあり方や実行体制について検討します.
Q7-7. 過去に経験したことのない大規模オンライン大会であり,コロナ禍という困難な状況の中で開催にこぎつけた実行委員会や事務局,関係者の皆さまのご努力に敬意と感謝を表したい.中止よりは開催されて良かった.難しい運営であったと思うが,常態に戻ってもオンライン併設は必要になると考える.今回の開催でわかったメリット・デメリットをふまえ,次回は入念に準備をして開催してほしい.
本オンライン大会参加者の皆さま方よりお寄せいただいた多くのご意見や叱咤激励を糧とし,また,未曾有のコロナ禍の中で開催したオンライン大会を貴重な経験とし,将来の地球惑星科学の発展に活かせるよう,関係者一同最善を尽くします.会員の皆さまには,引き続き,日本地球惑星科学連合へのご支援・ご協力を,よろしくお願い申し上げます
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