日本学術会議地球惑星科学委員会地球惑星科学推進分科会(第20期第2回)議事録(案)

1.日時 平成19年5月21日( 月)17:20〜19:45

2.場所 幕張メッセ国際会議場国際会議室

3.出席者 入倉孝次郎,永原裕子,岡部篤行,平 朝彦,河野 長,碓井照子,安仁屋政武,石田瑞穂,大久保修平,大久保泰邦,大谷栄治,岡田尚武,奥村晃史,上出洋介,川口淳一郎,北里 洋,熊木洋太,斎藤靖二,佐々木 晶,佐竹健治,竹内邦良,田村俊和,津田敏隆,鶴田浩一郎,富樫茂子,中島映至,中田節也,西田篤弘,野上道男,長谷川 昭,浜野洋三,氷見山幸夫,藤井敏嗣,松本 良,森田 喬,圦本尚義,大路樹生 <37人>
 欠席者 今脇資郎,尾池和夫,岡田義光,唐戸俊一郎,木村 学,久城育夫,佐藤 薫,柴崎亮介,住 明正,高橋栄一,高橋佳子,滝沢由美子,千木良雅弘,中村栄三,中村和郎,花輪公雄,深尾良夫,松井孝典,松岡俊文,松本 紘,三上岳彦,山形俊夫,山下輝夫,吉田尚弘,若土正暁,渡邊真紀子 <26人>

4.議題等

1) 前回分科会議事録(案)の確認
2) 報告
  a
 
地学オリンピック(久田)
第1回は2007年10月21日からソウルで開かれ,10〜15か国が参加する見込み;第2回(2008年,フィリピン)に日本から高校生4人,メンター2人の派遣をめざす;それに向けて,メンターの養成その他国内体制整備の問題がある;日本科学オリンピック推進委員会との関係 等.<「国際地学オリンピック規約」「国際地学オリンピック;目標とシラバス」等の資料配布>
  b 地理オリンピック(氷見山)
2年に1回開かれ,次回は2008年チュニス;Asia-Pacific Congress(台湾)に日本が初参加の予定で,応募者13人の中から4人を選抜する予定であるが,派遣経費の問題がある;国内実行委員会委員長は井田(筑波大).
  c 学術会議総会,幹事会,地球惑星科学委員会(入倉)
・2005年に英国で開かれたG8サミット以来,G8各国学術会議はG8以外の主要国(ブ
ラジル,中国,インド,アフリカ諸国)の科学アカデミーと共同でG8サミット参加国指導者に対する提言をまとめ,共同声明として発表している.2008年にはG8サミットが日本(北海道洞爺湖)で行われるので,科学者としての提言を日本学術会議が中心となって取りまとめるべきである。そのための地球環境問題に関する課題別委員会の設置を地球惑星科学委員会関係の6会員が共同で提案予定である(下記3)b).地球惑星科学推進分科会としてそれをバックアップする作業部会の設置を考えるべきであろう.
・第3部では,若手人材育成,理数科教育問題等に取り組んでおり,理数系学会教育問題連絡会と学術会議有志との非公式な懇談会を5月24日に開く予定.
・地球惑星科学委員会(入倉委員長)は,副委員長:平,幹事:岡部・永原の体制で活
動している.第13回委員会(3月19日)の議事録<案を資料として配布>は地球惑星科学連合のホームページに公開する.
  d 地球惑星圏分科会(永原)
第1〜第3回分科会開催.活動方針を定め,地球惑星科学における環境問題の重要性について討議した.全国大学の関連学科・専攻の現状把握のためのアンケートを実施し,各種審議会・学術会議等が従来出した地球惑星科学関連の提言および各学会の将来構想等についての情報を収集して,現在分析中.結果は一部明日のユニオンセションで報告し,連合のホームページに載せる.今後,大学以外の地球惑星科学関連研究機関およびPD問題に関する情報を収集する予定.
  e 地球・人間圏分科会(岡部)
2006年9月以後,第3〜第7分科会開催.地球-人間相互作用を扱うため,諸ディシプリンを貫くメタディシプリン(地球人間圏学:仮称)を確立することをめざして,関連する計17の話題を分科会メンバーらが毎回交代で提供し,討議してきた<話題提供者,タイトル,要旨を記した資料配布>.これらに基づき,「地球温暖化・環境」「自然災害」「地球情報基盤」に関する報告書を年末までに作成する予定.
  f 社会貢献分科会(平)
第1回分科会では理数科教育の現状とあり方について,話題提供と討議を行った.当面,理科教育問題にしぼって討議を進める.第2回は7月3日に開催予定.
  g 国際対応(河野)
学術会議が行う国際対応には,団体加入,代表派遣,国際会議開催,二国間学術交流,アジア学術会議,その他国際学術交流 がある.地球惑星科学委員会には,ユニオンを名乗っている団体別の国際対応関係分科会が4,国際対応委員会の下に設けられた小委員会が30ある.これら全体に対処する作業を国際対応分科会で行うことにしたい,また,国際対応幹事組織を作りたい.後者は当面地球惑星科学委員会が担当する.
  h ユニオンセッション(永原)
地球惑星科学全体を見渡すため,および関連学協会コミュニティとの連携を図るために計画した.第1回は明日開催.来年以降はもっと準備して進めるべき.
 

3)

審議
  a 推進分科会の活動方針(入倉)
地球惑星科学に関わる幅広い観点からの議論を基に,新たな地球惑星科学の創出のため,学術の視点から提言および活動を行う.また,地球惑星科学に関わる会員・連携会員を一同に集める拡大地球惑星科学委員会としても機能する.通常は年2回のみの開催なので,各委員からの提案・問題提起は適宜,推進分科会メールグループあるいは役員に行う.役員会では,これら提案を整理し,分科会または同メールグループで,もしくは作業部会,小委員会等を設置して検討した上,アクションプランを決定し,地球惑星科学委員会に提案する<地球惑星科学推進分科会の活動方針,役割を記した資料配布>.
  b 課題別委員会設置提案(入倉)
地球温暖化現象をはじめとする,人間活動が引き起こす気候と環境に対する影響について,学術会議として科学的認識をまとめ,同時にそれが引き起こす生物界・社会への影響についても指摘して,施策について提言するため,学術会議に課題別委員会を設置することを,入倉,平,河野,岡部,永原,碓井 各会員の連名で,学術会議会長に提案する.本委員会は第3部を中心に8〜10名程度の会員・連携会員・特任連携会員と3つの分科会(後述)の長で構成し,個別課題を検討するための3つの分科会(気候変動,影響評価,対策 各10名程度の専門家で構成)を設ける.6月中に課題別委員会を発足させ,最終報告案を12月に発表する.その報告は他国アカデミーにも発信されるべきであり,必要に応じて共同提言についても可能性を検討する.この委員会および3分科会での検討をバックアップするため,地球惑星科学推進分科会が中心となって3つの作業部会(気候変動,影響評価,対策)を設けることを考えている(中島補足).<資料として提案書配布>
  c 長期的・継続的に推進すべき学術調査・観測体制の整備について
・大久保委員から次のような問題提起があった
第一級の研究成果を生み,こらからも活躍が期待されていながら,法人化・組織統合等にともなう財政的理由等により,存続の危ぶまれる地球科学関連研究施設が増えつつある.事例としては,測地学・地震学に関する国立天文台施設や,火山学・地球電磁気学・地震学・測地学に関する気象庁施設等が挙げられる.これらの施設が廃止されれば,政府財政にわずかばかりの貢献をすることと引き換えに,長期にわたり継続されてきた貴重な観測データの取得が途絶えてしまい,関連する科学研究にとって取り返しのつかないことになるおそれがある.この問題を,学術会議の本来の役割の一つである「科学者コミュニティの連携」という観点から,地球惑星科学委員会等の場で速やかに検討してほしい.<資料として「メモ」配布>
・関連して,熊木委員から 次のような現状が紹介された
国土地理院では,数年後から生じる電子基準点老朽化に対し,更新のための予算の確保は厳しいと予想される.また,土地利用調査や沿岸海域基礎調査等のように,長期に亘って続けられてきた事業の中に廃止されるものも出てきている.現業的業務のほとんどが民間委託に移行していて,土地条件調査など学術的な意義も高い調査・観測・分析を行える人材の育成が困難になっている.これら地球惑星科学関連の調査観測事業は,日本のこれまでの調査観測の積み重ねで世界をリードする知的資源が蓄積され,地球環境問題の解決や自然災害対策に直結する,国民生活にとって重要なものでありながら,短期的には産業に結びつきにくく,民間の投資があまり期待できないので,国としてその維持・発展に長期的・継続的に取り組むべきと考える.<資料として「メモ」配布>
・これら問題提起に対して,次のような意見がかわされた.
学術会議としては,海部委員会が大型機器等に関する対外報告をまとめようとしている最終段階なので,この問題を持ち出すにはタイミングが悪い.
しかし,多面的に問題を指摘しておいてよい.
そのためにも,議論を始めておくことが必要.
第3部の中で議論するにしても,他の委員会には一見わかりにくいテーマなので,綿密な作業が必要.作業部会を置くのがよいと思うが,予算の裏づけがない.
海外の事例も集めて,状況の比較をすべき.
このような問題は,国際的にも旗色が悪いようだ.
組織防衛とはとられないような形で問題を提起するのがよい.
第3部に限る問題ではないと思われるので,継続的・長期的観測データの重要性を訴えるのを止めないようにしたい.第2部基礎生物学委員会自然史古生物分科会で企画している,フィールドサイエンスの重要性に関するシンポジウムとも関連が深い.
そのシンポジウムについては推進分科会のメールグループに流す(浜野副委員長).
・以上の議論に基づき,作業部会の設置に向けて,次回の地球惑星科学委員会で検討いただくこととした.
 

4)

その他
次回は12月第5週に開催する予定.