日本学術会議地球惑星科学委員会国際対応分科会 平成19年度活動報告

WDC小委員会

[委員長]
渡邉 堯 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
442-8507 名古屋市千種区不老町
c62d51ef58@yahoo.co.jp

[委員]
門倉昭 (国立極地研究所)
桜井隆 (国立天文台)
柴崎清登 (国立天文台)
五十嵐喜良 ((社)電波産業会研究開発本部)
石井守 (情報通信研究機構)
篠原育 (宇宙航空研究開発機構)
国沢隆 (東京理科大学理工学部)
阿部文雄 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
藤井良一 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
荻野龍樹 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
家森俊彦 (京都大学地磁気世界資料センター)
竹田雅彦 (京都大学地磁気世界資料センター)
能勢正仁 (京都大学地磁気世界資料センター)
村田健史 (愛媛大学総合情報メディアセンター)

[分科会・小委員会目的]
我国では1957─1958年における国際地球観測年 (IGY) を契機として、国際学術連合会議 (ICSU) の傘下にある世界資料センター (WDC) パネルのもとに、地球物理学関連分野における観測データを扱うWDCが設置され、現時点では地磁気、宇宙線、電離層、太陽電波、太陽活動、大気光、科学衛星、オーロラの各WDCが活動している。しかし我が国では基礎科学分野におけるデータセンターの重要性に対する認識が低く、各WDCの人的・財政的環境の整備は、国際的に見ても大きく立遅れており、少数の担当者の献身的な努力によって辛うじて支えられているのが実情である。そこでこの小委員会ではWDCパネルへの国際対応を行うほか、WDCの充実と活性化について意見を集約して、地球惑星科学関連データの処理・公開・流通体制の改善を目指すとともに、他の国際的データベース関連組織との連携により、我が国におけるデータセンター活動のレベルアップについて提言を行う。

[分科会・小委員会平成19年度成果]
小委員会開催日:平成18年11月28日
会場:京都大学理学部議題1:小委員会の活動方針
(1) eGY、GEOSS、IPY等、地球科学関連分野の国際共同研究事業への関与を進める。(2)
海洋、大気など地球科学関連分野のデータセンターに対して、WDC加入への働きかけを行う。
(3) 既存WDCへのアクセス体制の整備。
(4) NOAAが開設しているWDCのホームページへの情報提供、我が国のWDC活動を紹介するホームページの開設、ニューズレター、WDC情報パンフの作製などの広報活動を強化する。議題2:eGY、GEOSSにおけるWDCの役割について
(1) eGYは、WDC設置の契機となったIGYの50周年記念事業の意味もあり、WDCとしても積極的に対応する。
(2) GOESSは地球環境保全に関連した地球科学分野や環境生態分野の研究活動を主体とし、社会科学分野も含んでいるが、我が国におけるWDCの体制では限定された対応しかできない。WDC体制の充実を図るためにも、海洋、大気など地球科学関連分野データセンターのWDC加入への働きかけを早急に開始する必要がある。議題3:WDCを含む、我が国におけるデータベース構築・流通体制における問題点の検討
(1) WDCが所属する大学や研究機関等において、活動に対する理解が得にくい。最近では「目に見える成果」が強調されるため、データセンターのような比較的地味な活動は軽視されやすい。
(2) WDCの経常的な体制を確保する見通しが立ちにくい。
(3) 生命科学や環境科学など、社会的要請が高いと認められた分野ではデータベース構築に対する支援が行われつつあるが、基礎科学全般に見ると国際的にも立ち後れている。CODATAなどのデータ関連組織との連携を緊密にし、我が国におけるデータベース構築・利用態勢の整備に向けた活動を行う。
(3) WDC活動に説得力を持たせるためにも、社会的にアピールできる分野への拡大が求められる。出版:我が国に設置されている7ヶ所のWDCの活動を紹介する冊子 (World Data Centers in Japan, 2008) を印刷し、国内外の約300ヶ所に配布。

[分科会・小委員会平成20年度活動計画]
平成20年11月につくば市で開催予定の国際研究集会「Fifty Years after IGY- Modern Information Technologies and Earth and Solar Sciences -」の開催期間中に WDC小委員会を開催し、現在ICSUで進行中のデータ関連組織の見直しへの対応と、我が国のWDCに対する国際的な査察への対応について議論する。またこの研究会では、WDCを中心としたデータ交換態勢への提言を行うセッションが予定されており、当小委員会メンバーが実行委員会委員として参加。

[対応団体名称 (和文)]
国際学術連合会議世界資料センターパネル

[対応団体名称 (英文)]
WDC Panel of International Committee of Scientific Union

[対応団体略称]
WDC (ダビュルディーシー)

[対応団体目的]
主として地球科学分野における観測データについて、各国のWDCの協力により、人類の共有財産としてのデータの保全を図り、信頼性の高いデータを特別な制限無しに提供する。各データセンターは担当するデータベースの保全と品質管理に意を用い、最新の情報関連技術を積極的に取り入れて、データベースの利用態勢の整備を行う。

[対応団体2007年成果]
(1) 2007年3月末にフランス (パリ) でWDCパネル会議が開催され、ICSU傘下にある3データ関連組織 (WDC、FAGS、CODATA) の見直しへの対応、GOESSやIPYなどの国際協同研究事業へ積極的に関わること等が議論された。小委員会委員長が、パネル委員として出席。
(2) 2007年5月、ドイツ (ブレーメン) においてWDC全体会議が開催され、ネットワークによって各国のWDCを連結する構想の推進、WDCポリシー (高品質データの保全と、特別な制限無しの提供) の確認、GOESSなどの国際協同研究事業との連携、発展途上国のデータ流通体制への援助等が議論され、今後のWDCの方針として確認された。小委員会委員長、小委員会委員2名が出席。

[対応団体2008年計画]
(1) 2008年4月に開催予定のWDCパネル会議では、ICSU傘下にあるFAGSとWDCの二つのデータ関連組織の統合について協議が行われる。
(2) WDCネット (仮称) について、数ヶ所のセンターをネットで連結するテストが開始される予定。
(3) 昨年度に実施された各WDCの自己評価に引き続いて、各WDCに対して、関連分野の研究者による評価が行われる。
(4) GEOSSやIHYなどの国際協同研究事業との連携を深める。