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ユニオン・サイエンスボードの挨拶

国際的リーダーシップ強化の期待
西田 篤弘
宇宙科学研究所名誉教授・日本学士院会員・日本学術会議連携会員
専門分野:宇宙空間物理学

本年1月9日より一般社団法人として新たにスタートした日本地球惑星科学連合への個人会員登録及び2009年大会へ向けての投稿・参加登録が開始されておりますが,改めて皆さまに会員登録・大会参加登録をお願いしたいと思います。 昨年末,私は多くの方々とともにサンフランシスコのアメリカ地球物理学連合(AGU)秋季大会に参加いたしました。この大会の参加者は1万人を大きく超え,世界中から集いました。今年は一段と中国からの参加者が際立ちました。日本からの参加者も数百名にのぼり,この時期の日本とサンフランシスコ往復便は,あたかも貸し切りツアーの様相を呈しております.このAGUは20年ほど前には会員が2万人程度であったものが,いまや5万人を越えています.2年前にこの大会で数千人を前にしてゴア氏が行った地球環境と温暖化に関する講演は,IPCC報告と会わせて,世界政治に大きな影響を与えました.欧州でも春に欧州地球科学連合(EGU)の大会が開催され,それも数千人規模の大会となっています.これらはいずれも20世紀的地球科学の個別分野間の壁を越え,強力にサイエンスのフロントをリードしているところです. 世界人口の4割に達しようとしているアジア地域においては,これらAGUやEGUに匹敵するような地球惑星科学全域を覆うコミュニティーは,残念ながらいまだ形成されておりません.しかし,我が国において,4年前に日本地球惑星科学連合が形成されました.さらにいま,連合が法人となるのを機会として,その大きな目標を,アジア諸国におけるコミュニティーとも連携し,世界の地球惑星科学の先進を担う一極としての位置を確立することに設定いたしました.そのために全体をリードするユニオンサイエンスボードと,宇宙惑星,大気海洋・環境,地球人間圏,固体地球,地球生命の各セクションのサイエンスボードがそれぞれの領域の科学をリードできる体制を発足させることとなりました. この「高い峰」の目標に向かって学術推進事業を核として推進することとなります.それとともに,数万人に及ぶこの領域の「広い裾野」を同時に充実させ,豊かなコミュニティーを形成することも大きな目標です.連合にはこれまで48の学協会が参加して参りました.学協会の皆様には,引き続き団体会員として参加していただくことをお願いしたいと思います.連合と学協会を「車の両輪」として機能させ,それぞれの専門分野の更なる深化発展と分野を超えた連合の活動の相乗効果によって前進できるよう密なる連携を取って進めたいと考えております. 2009年は,このような新しい飛躍へ向けて前進を開始する記念すべき年であり,記念すべき大会となるでしょう.多くの皆様が大会に参加されるとともに,連合の個人会員として登録していただくようお願い申し上げます.また,学協会の皆様には団体会員として登録していただき,大きな目標に向かって共に歩んでいただけることを改めて切にお願いする次第です.


日本地球惑星科学連合に参加しよう
松井 孝典
東京大学大学院新領域研究科教授・日本学術会議連携会員
専門分野:地球惑星システム科学・惑星科学・アストロバイオロジー

 日本地球惑星科学連合が法人化された.潜在的な会員数は3万人にも達する巨大な学会の誕生である.何でも大きければいいというわけではない. 東大の地球惑星科学関連の専攻が,ひとつの専攻に統合化されたときは反対した.その予見された弊害が今現実化している. しかし,ある学問分野,特にその専門家の教育や研究を進めるのと,学会というその学問の名を冠した分野の推進,振興を図るのとでは,その方策はおのずから異なる. 地球惑星科学関連の統合化された学会がひとつもなく,その諸学に関する学会が数十も存在するというこれまでの状況は,明らかに,時代に即していなかった. とはいえ,法人化はまだその一歩を踏み出したに過ぎない.潜在的な会員が積極的にこの組織に参加してこそ初めて,法人化の目的が達成されたといえる. 地球環境問題や自然災害の巨大化,深刻化が懸念される21世紀に,地球惑星科学の振興を図ることは,わが国にとってはもちろん必要なことだ.それは世界にとっても大きな貢献である. その実現のために,多くの関連する研究者,教育者,科学コミュニケーター,院生などが,今すぐに会員として登録する,そのような行動を起こされることを期待したい.


連合の新たな船出に際して
廣田  勇
京都大学名誉教授・日本地球惑星科学連合評議会元議長
専門分野:気象学・大気科学

 この度,日本地球惑星科学連合が新たな法人組織として再出発する運びとなったことは,2005年の連合発足時に世話役を務めた者の一人として喜びに堪えません. この連合の目的が,地球惑星科学に関連する様々な分野の学問研究を発展させることであるのは当然ですが,その一方,学問と社会の繋がりの重要性が問われている現在, 研究者が積極的に外部に向かって発言してゆくことや夫々の学問の面白さを一般社会に伝える教育啓蒙活動を展開してゆくことも極めて重要な責務でしょう. さらにまた,夫々の学問にはすべて歴史と伝統とがあります.それゆえ,次世代を担う若い研究者を育ててゆく努力を行うことを忘れてはならないでしょう. 新しい連合組織のなかで,ユニオンサイエンスボードのお役目を引き受けるに当たって,一人でも多くの方々が新連合に参加して下さることを願ってやみません.


地球惑星科学のフロンテイア創成に向けて
山形 俊男
東京大学教授・理学系研究科副研究科長・日本学術会議連携会員
専門分野:海洋物理学・気候力学

 21世紀の地球惑星科学のフロンテイアは既存のデイシプリンを越えて自在に交流するところにあるといって過言ではないでしょう. 一方で学際性は専門性の深化によって支えられなければ到底フロンテイアにはなり得ません. また,気候研究に顕著に見られるように,これからは社会との交流の中で科学イノベーションが行われることがますます増えてゆくことでしょう. この交流を活性化し,意味のあるものにするためにはアウトリーチ活動が重要になります.科学の世界では国際共同が重要なのは当然ですが, 一方で地理的,文化的な背景から米国,ヨーロッパ共同体,アジアの三極を中心とする地域連携がますます強化されてゆくでしょう. 我が国にはアジア地域の核としての役割がますます期待されています. このような状況下にあって,我が国の地球惑星科学コミューニテイに5つのセクションからなる日本地球惑星科学連合が形成されたことは大変喜ばしいことです. 米国地球物理連合や欧州地球科学連合と同様,日本地球惑星科学連合も大きく発展することを願ってやみません.


地球惑星科学の新たな地平を開く
平  朝彦
海洋研究開発機構理事・日本学術会議地球惑星科学委員会委員長
専門分野:地質学・掘削科学

 地球惑星圏を巨大なシステムとして捉え,素過程から相互作用までシームレスにその挙動と進化を理解するという地球惑星科学の理念が唱えられてから, すでに20年以上の歳月が過ぎた.その間,各個人や各組織でさまざまな取り組みがなされてきたが,学問体系そのものに関連する各学会の取り組みは, 学問の進歩とは,異なったペースであった.連合大会の実施を契機として,以後10年,ついに新学会,日本地球惑星科学連合JpGU法人が発足することとなった. これまでの関係者の努力に深く敬意を払うとともに,これがわが国のみならず,アジア,世界の科学にとって,非常に大きな出来事であると確信している. これを,機会として,研究体制の革新,大学の進展,人材育成の充実,社会との連携や国際貢献など,さらなる科学の発展に伴に努力して行きたい. 多くの方々がこの画期的な学会に参加されること熱望する.


新しい日本地球惑星科学連合の誕生に対する祝辞
深尾 良夫
海洋研究開発機構地球内部変動研究センター長・日本学術会議連携会員
専門分野:地震学・固体地球物理学

 このたび,我が国の地球惑星科学コミュニティ全体を包含する画期的な組織として新しい日本地球惑星科学連合が誕生したことをお祝い申し上げます. またここに至るまでの関係各位のご努力に対し深く敬意を表するものです. ここに,地球惑星科学の多分野を横断して研究成果を共有し次の展開の方向を模索する場 が名実共にできたことになります. 連合大会において従来の枠に捉われない新しい成果が続々と発表され,それらが活気ある議論を通じて世界をリードする学問潮流へと育っていくことを切望して止みません. このような方向を現実化するためには,多くの方がご自身の研究のために連合大会という場を積極的に利用されることが大 切と思われます.皆様の新連合への御参加をお願いする次第です.



野上 道男
日本大学文理学部地理学科 教授
専門分野:自然地理学・地理情報学

 
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