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川口 淳一郎 先生










 

・受賞理由

惑星科学,特に惑星探査分野における「サンプルリターン」を成功へ導くなどの顕著な功績により



・経歴

M-3SIIおよびM-Vロケットの姿勢・軌道制御分野を担当(1980-2005)
ハレー彗星探査で日本発の人工惑星の軌道設計を担当(1985-86)
地球2重スイングバイの技術を用いて、「ひてん」および「GEOTAIL」の軌道設計を担当。「ひてん」を月周回軌道に成功させる。(1990-1993)
太陽潮汐力と重力アシストを用いた「Luna-A」の軌道設計を考案。(1996)
日本初の火星探査機「のぞみ」の軌道設計を主担当。(1998)
「のぞみ」のトラブル後のリカバリー軌道設計を担当し、「のぞみ」を火星到達させる。(2004)
世界初の小惑星往復機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーとして、「はやぶさ」の打ち上げを成功させる。(1996-2003)
電気推進を用いた軌道設計の最適化を行い、「はやぶさ」を目的の小惑星に到着させる。(2003-2005)
「はやぶさ」による小惑星イトカワの近傍観測を成功させ、イトカワがラブルパイル天体(瓦礫堆積天体)であることを明らかにする。小惑星表面への2回のタッチダウン(着陸と離脱)を行い、小惑星表層物質の捕獲に成功。(2005-2006)
「はやぶさ」を地球に帰還させ、捕獲した小惑星試料を地球に送り届けることに成功。月以外の天体への初の往復航行を達成。(2006-2010)
「イカロス」プロジェクトを立ち上げ。液晶姿勢制御を備えたソーラーセイルミッションの実証に成功。(2010)



・主要論文

Jun'ichiro Kawaguchi, Hiroshi Yamakawa, Tono Uesugi, Hiroki Matsuo, "On Making Use of Lunar and Solar Gravity Assists in Lunar-A, Planet-B Missions", Acta Astronautica, Vol.35, No.9-11, pp.633-642, 1995
Jun'ichiro Kawaguchi, Hitoshi Kuninaka, Kyoichiro Toki, Hiroki Matsuo, Hitoshi Mizutani, "On the Low Cost Sample and Return Mission to Near Earth Asteroid Nereus via Electric Propulsion", Acta Astronautica, Vol.35, Suppl., pp.193-200, 1995
J. Kawaguchi: A COMET NUCLEUS SAMPLE RETURN MISSION USING SOLAR ELECTRIC EARTH GRAVITY ASSIST: Adv. Space Res. Vol.29, No.8, pp.1215-1220, (2002)
J. Kawaguchi, K. Uesugi and A. Fujiwara: The MUSES-C mission for the sample and return - Its technology development status and readiness: Acta Astronautica, Vol.52, pp.117-123, (2003)
A. Fujiwara, J. Kawaguchi, D. K., Yeomans, M. Abe, T. Mukai, T. Okada, J. Saito, H. Yano, M. Yoshikawa, D. J. Scheeres, O. Barnouin-Jha, A. F. Cheng, H. Demura, R. W. Gaskell, N. Hirata, H. Ikeda, T. Kominato, H. Miyamoto, A. M. Nakamura, R. Nakamura, S. Sasaki, K. Uesugi, “The Rubble-Pile Asteroid Itokawa as Observed by Hayabusa,” Science 312, pp.1330-1334, 2006



・主な業績

川口氏はハレー彗星探査機「さきがけ」と「すいせい」、工学実験衛星「ひてん」、磁気圏探査衛星「GEOTAIL」、火星探査機「のぞみ」、小惑星探査機「はやぶさ」などに軌道工学研究を通して深く関わると同時に、ロケット等の姿勢制御研究においても、M-3SIIロケット、M-Vロケットなどにも関わり、日本の惑星探査科学および宇宙プラズマ科学研究などの発展に大きく貢献された。特に、「はやぶさ」ミッションではプロジェクトマネージャーとして、プロジェクトを牽引し、ミッション目標である、地球外天体への往復航行と天体からのサンプルリターンを成し遂げ、地球惑星科学分野にサンプルリターン分析研究という新しい研究手段の実現と視点を提供された。我が国は、はやぶさの成功を通して、太陽系小天体探査分野において、世界をリードする立場につくことができ、科学的には、私たちの地球を含む太陽系天体の形成史を書き換えることに貢献された。



・推薦者

藤本正樹