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鎮西 清高 先生










・受賞理由

地質学,特に古生物学および古生態学分野における永年にわたる顕著な功績により



・経歴

1961~1986年 東京大学理学部助手,助教授として地質学教室第四講座に所属,新生代の軟体動物の古生態学,日本周辺の新生代の古生物地理学,酸素同位体に基づく古海洋学等の研究に従事
1974年 UCLA客員教授として新生代の軟体動物の古生物学的研究に従事
1979年・1988年 チュービンゲン大学客員研究員・客員教授としてジュラ紀の二枚貝の古生態学的研究に従事
1986~1997年 京都大学理学部(後に京都大学大学院理学研究科)教授として古生態学,新生代のテクトニクス,化学合成群集の(古)生態学等の研究に従事
1997~2004年 大阪学院大学教授として新生代のテクトニクス,中生代・新生代軟体動物の古生物学的研究に従事



・主要論文

Chnzei, K. and Iwasaki, Y., 1967. Paleoecology of shallow sea molluscan faunas in the Neogene deposits of Northeast Honshu, Japan. Transactions and Proceedings of Palaeontological Society of Japan, New Series, 67, 93–113.
Chnzei, K., 1982. Morphological and structural adaptations to soft substrates in the Early Jurassic monomyarians Lithiotis and Cochlearites. Lethaia, 15, 179–197.
Chnzei, K., 1986. Opening of the Japan Sea and marine biogeography during the Miocene. Journal of Geomagnetism and Geoelectricity, 38, 487–494.
Chinzei, K., Koike, H., Oba, T., Matsushima, Y. and Kitazato, H., 1987a. Secular changes in the oxygen isotope ratios of mollusc shells during the Holocene of Central Japan. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 61, 155–166.
Chinzei, K., Fujioka, K., Kitazato, H. Koizumi, I., Oba, T., Oda, M., Okada, H., Sakai, T. and Tanimura, Y., 1987b. Postglacial environmental change of the Pacific Ocean off the coasts of Central Japan. Marine Micropaleontology, 11, 273–291.



・主な業績

 鎮西氏は新第三系浅海性化石群の研究を通じ,近縁種が異なる時代・地域の同様な環境で同様な生態的ニッチを占めるという時間的平行現象を世界に先駆けて提唱された(Chinzei and Iwasaki, 1967).また新第三系浅海性化石群の時空分布を古生物地理学的視点からまとめ,日本海の形成に関する研究へと発展させられた.(Chinzei, 1986).鎮西氏は微古生物学や同位体地球化学者と共同で,日本周辺の古海洋変遷に関する研究を推進された.その中には二枚貝殻の成長線解析と酸素同位体比から過去9,000年間の水温変動を復元した例(Chinzei et al., 1987a),約12,000年前に起きた一時的な寒冷化現象(新ドリアス事件)が,北西太平洋にまで及んでいたことを初めて明らかにした例(Chinzei et al., 1987b)などが挙げられる.本来固着性であるカキ類の中には,潮間帯の泥底で“カキ礁”を形成する種が様々な時代の複数の系統で知られているが,鎮西氏はカキが幾つかの特徴的な適応戦略を取ることで進化・適応したことを明らかにし,カキ類に対する従来の味方を一変させた.



・推薦者

大路樹生