IUGG(国際測地学・地球物理学連合)   第25回IUGG学術総会の報告

第25回IUGG学術総会の報告

0.はじめに
1.総会全体について
2.IUGG評議員会など
3.ユニオンシンポジウムU02(災害)
4.津波シンポジウム
5.IACS(雪氷)
6.IAG(測地)
7.  IAGA(地球電磁気)
8.  IAHS(陸水)
9.  IAMAS(気象)
10.IAPSO(海洋)
11.IASPEI(地震)
12.IAVCEI(火山)


6.IAG(測地)

 測地学分野のIAG関連セッションは6月28日〜7月6日に土曜・日曜を含む9日間にわたって開催された。IAGに登録した参加者は368名で,日本からは12名が参加した(数字は,今後増える可能性がある)。
<開会式・閉会式>
 開会式では各賞の授賞式が行われ,40歳以下の若手研究者を対象とするBomford賞は,今回はJohannes Boehm(ウィーン工科大学)に授与された。受賞講演では「測地学における大気の及ぼす効果」に関する研究が紹介された。電離層の電子密度揺らぎや対流圏の大気伝搬遅延がGPS観測に及ぼす影響や,大気荷重が重力場・地球回転に及ぼす効果などが扱われ,測地学のもつ学際性を強く印象づけるものであった。また,閉会式では福田洋一(京都大学)と大村誠(高知県立大学)の2名を含む,IAGの活動に貢献した研究者等約40名にFellowの称号が授与された。またIAG新会長の就任演説が行われた。
<学術発表>
 今回のIAGの学術成果としては,GRACEやGOCEの衛星重力ミッションの結果が多数であった。また,東北地方太平洋沖地震にともなう変動をGPSやSARで検出し,解析した結果も多数あった。
<役員の交代>
 IAG会長はM. Sideris(カナダ)から,これまでのIAG副会長であったC. Rizos(オーストラリア)に交代する。Sideris前会長は今回IUGGの副会長に選出された。H. Drewes事務局長は,規約により留任する。その他,執行委員会を構成する四つの分科会会長,拡大執行委員等も交代した。日本からはこれまで福田洋一と日置幸介(北海道大学)とが執行委員会メンバーであったが,今回はともに交代し,残念ながら日本人の執行委員はいなくなった。>
<次期IAG学術総会の開催地>
 イスタンブール(トルコ),プラハ(チェコ),ポルト(ポルトガル),ポツダム(ドイツ)の4都市で争われ,1回目の投票では過半数を得たところはなかった。上位2都市であるポツダム(●写真5)とイスタンブールで決戦投票が行われた結果,ポツダムで2013年9月初旬に開催されることとなった。IAGのルーツは1861年にプロシア測地学委員会(当時)が呼びかけた中部ヨーロッパ測地学協会の設立までさかのぼり,それから150周年という節目ということで賛成票を集めた模様である。
<決議>
 各国代表の集まる評議会において,決議(Resolution)が決定され,閉会式で紹介された。主要なものは,次の二つである。
(1)衛星重力ミッションが学術的な成果を多数生みだしていることに鑑み,今後も継続して観測を続けることが重要であり,そのために各国関係機関には今後も新たな衛星重力ミッションについて努力されることを要請する。
(2)IAUが定める国際天球座標ICRF2を,天文学・測地学において標準とすることを勧告する。
(註)
ICRF2:  International Celestial Reference Frame 2

<文責:大久保修平(東京大学)>
●写真5 2013年IAG学術総会の開催候補地のプレゼンテーション


[略号一覧 ]
CAST: Chinese Association of Science and Technology(中国科学技術協会)
CSIRO: Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation(オーストラリア)
ENHANS: Project on Extreme Natural Hazard and Sustainability (in IUGG)
GeoRisk: Union Commission on Geophysical Risk and Sustainability (in IUGG)
GFZ: GeoForschungsZentrum; German Research Centre for Geosciences(ドイツ地球科学研究センター)
GOCE: Gravity field and Ocean Circulation Explorer
GPS: Global Positioning System
GRACE: Gravity Recovery And Climate Experiment
IACS: International Association of Cryospheric Sciences (in IUGG)
IAG: International Association of Geodesy (in IUGG)
IAGA: International Association of Geomagnetism and Aeronomy (in IUGG)
IAHS: International Association of Hydrological Sciences (in IUGG)
IAMAS: International Association of Meteorology and Atmospheric Sciences (in IUGG)
IAPSO: International Association for the Physical Sciences of the Oceans (in IUGG)
IASC: International Arctic Science Committee (in ICSU)
IASPEI: International Association of Seismology and Physics of the Earth's Interior (in IUGG)
IAU: International Astronomical Union (in ICSU)
IAVCEI: International Association of Volcanology and Chemistry of the Earth's Interior (in IUGG)
ICHARM: International Centre for Water Hazard and Risk Management
ICSU: International Council for Science
IOC: Intergovernmental Oceanographic Commission (in UNESCO)
IRDR: Integrated Research on Disaster Risk (in ICSU)
IUGG: International Union of Geodesy and Geophysics (in ICSU)
IUGS: International Union of Geological Sciences (in ICSU)
NOAA: National Oceanic and Atmospheric Administration(アメリカ)
SAR: Synthetic Aperture Rader
SCAR: Scientific Committee on Antarctic Research (in ICSU)
SCOR: Scientific Committee on Oceanic Research (in ICSU)
SEDI: Union Commission on Studies of Earth's Deep Interior (in IUGG)
UNESCO: United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization
UNISDR: United Nations International Strategy for Disaster Reduction
WCRP: World Climate Research Programme

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