北海道大学
新・自然史科学創成 : 自然界における多様性の起源と進化
目指すところ
新・自然史科学創成に向けて岩石圏、水圏、大気圏そして生物圏からなる地球表層圏は、地球活動と生命活動の複雑なバランスによって成り立っており、両者の相互作用が地球表層における生命と物質の多様性をもたらしてきました。しかしこの人類の活動の場である地球表層圏に対する、私たちの知識はまだまだ不十分です。多くの生命がこの地球で共に生存を続けるには、自然界における多様性を認識し、その起源と進化を明らかにすることが必要です。
21世紀COE「新・自然史科学創成」では、地球科学分野と生物分類・進化学分野の融合により、自然界、とくに人類にも重要な地球表層圏の多様性と進化を包括的に理解するための研究教育を行います。自然誌学(博物学)から分化した地球科学と生物分類学・進化学の2大領域を、現代的な視点から再統合し、さらに地球物理や地球化学を加え、新しい学問領域である「新・自然史科学」を萌芽発展させることが本研究教育拠点の目的です。
自然界における多様性の起源と進化を解明し新しい自然観を構築するには、地球進化と生命進化を具体的に連結する地球表層圏における生元素(炭素・水素・酸素)循環の視点も不可欠です。生元素循環は地球史を通して、気候の変動を支配してきました。本拠点では、このような物質循環の視点も積極的に取り入れ、世界に類を見ない新しい自然史科学の研究教育拠点を築くことを計画しています。
研究の展開
21世紀COE「新・自然史科学創成」は、日本では他に見られないほど充実した地球科学分野の研究者集団と生物多様性の研究者集団が一体となって、両者の境界に新しい研究領域を創出する点に最も大きな特色があります。長年にわたって北海道大学が収集し、また今後国際プロジェクト等でも採取・分類される貴重な試料を活用して、「新・自然史科学」では、以下の地球−生命相互作用プログラムを中心とした研究を計画しています。
〈長期・地球−生命相互作用プログラム〉 モンスーンが誘導したアジア動植物の多様性やその変化に関する研究など、数千万年〜数百万年のスケールで進行する地球と生命の相互作用に関する研究。
〈短期・地球−生命相互作用プログラム〉 氷期−間氷期サイクルの海水準変動による海陸の孤立化と種分化や地理変異の進化・出現など、フィールドデータに基づく種分化速度計測に関する研究など、数十万年〜数年のスケールで進行する地球と生命の相互作用に関する研究。