• Facebook
  • Twitter
  • RSS
文字サイズ

宇宙基本計画の策定に対する日本地球惑星科学連合からの提言

                            平成201117

 

    宇宙基本計画の策定に対する日本地球惑星科学連合からの提言

 

                          日本地球惑星科学連合

                             代表 木村 学

 

宇宙基本法にもとづく宇宙基本計画の策定について、日本地球惑星科学連合を代

表 して要望を述べます。 日本地球惑星科学連合2006年に地球惑星科学関連の

ほ とんどの学会が加盟する連合組織として設立されました加盟48学会,総会員

数約5万人からなる連合組織です。この連合の傘下には、地球電磁気・地球惑星

圏 学会および日本惑星科学会のように宇宙開発の対象となる宇宙空間を直接利用

す る分野の学会をはじめ、人工衛星による地球観測等、宇宙環境を利用する技術

を研究手段とする地球物理学,地質学,鉱物学,地理学、気象学等の幅広い分野

にわたる学会があります。本連合はこれらの地球惑星科学分野の学会を代表する

連 合組織として活動し、主として研究成果の発表と地球惑星科学関連学会間の学

術 交流を促進するために連合大会を年に一度開催し、一般市民に対する講演会し

て 情報発信するなど幅広い活動を行っております。

 

 

研究の自由と機会の確保

日本の宇宙科学は、他の地球惑星科学の分野と同様に、限られた予算の中で、自

由な発想にもとづき理学的研究と工学的研究が一体なって推進されて発展してき

ました。これまでの日本の宇宙科学の自発的で独創的な研究活動が制限を受ける

ことなく維持拡大されることを希望します。特に、宇宙科学研究やプロジェクト

の推進に当たっては飛翔体の開発、試験および飛行運用などに比較的大規模な設

備が必要です総ての基盤の維持や整備を宇宙科学の実行組織だけが担うことは、

日本の宇宙開発全体の観点から必ずしも適切ではないとはいえ、これらの管理や

運営に当たっては、外に開かれた学術研究の拠点として、大学および民間の外部

研究者による自由な共同利用が保証され、公開の原則に基づいて自律的に運用さ

れることを要望します。

 

研究成果の普及と人材育成の強化

グローバルな視点を持って地球惑星科学分野の国際協力をリードできる人材を育

成することが本連合の使命の一つと考えます。参加者4500人を超える連合大会

では、宇宙航空研究開発機構および大学・関連研究組織によって、宇宙開発プロ

ジェクトの紹介、宇宙科学の最新の研究成果の発表と、学生・一般市民向けに講

演会や展示が提供され、学生・若手研究に宇宙科学をはじめ地球惑星科学の魅力

と重要性を認識させる努力をしてきました。また、国際科学オリンピックに学生

を派遣する事業についても本連合は人材・資金の両面においてサポートしてきま

した。宇宙開発を支える新しい人材を発掘するためにも、本連合のこのような初

等・中等教育におけるアウトリーチ活動をさらに広く展開してゆくのに必要な施

策・予算措置がなされることを要望します。 一方、宇宙科学をはじめとする地

球惑星科学の分野の若手研究者のための常勤のポストが極めて少なく、宇宙科学

を支える人材育成をはかる上で大きな障害となっています。 学位は取得したも

のの、内外の研究機関の非常勤のポストを転々とする研究者の数が多くなってき

ている現状では、新しく宇宙科学を志す人材が育つはずがありません。このよう

な深刻な問題を打破するための速やかな施策が必要です。

 

尚、本提言に加えて、本連合のメンバーである日本惑星科学会と地球電磁気・

地球惑星圏学会からも声明文と要望書が出されておりますが、それらの意見に

ついても尊重して頂きますようお願いします。