平成25年9月4日


公益社団法人日本地球惑星科学連合(JpGU)が発行するジャーナル「Progress in Earth and Planetary Science」について,より現状や趣旨を理解していただくため,Q and A(Question and Answer)を用意いたしました.さらなるご質問がある場合には,事務局(office@jpgu.org)までお問い合わせ下さい.よろしくお願いいたします. 

日本地球惑星科学連合のジャーナル「Progress in Earth and Planetary Science」の概要

[概要について]

「Progress in Earth and Planetary Science」の由来

Q 日本地球惑星科学連合(JpGU)のジャーナル名称はなぜ「Progress in Earth and Planetary Science」となったのでしょうか?

日本地球惑星科学連合のジャーナル出版の背景

Q  現在,日本地球惑星科学連合(JpGU)大会はどれ位の規模なのでしょうか?

Q  公益社団法人日本地球惑星科学連合(JpGU)がなぜジャーナルを出版する必要があるのでしょうか?

Q  連合がジャーナル出版をする意義とはどのようなものでしょうか?

Q  JpGUと海外のコミュニティとの関係についての将来像はどのようなものでしょうか?

Q  JpGUのみで科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の提案をしたのでしょうか?

「Progress in Earth and Planetary Science」の具体的内容

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」の発刊スケジュールはどのようなものでしょうか?

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」が掲載する論文のカテゴリーにはどのようなものがあるのでしょうか?

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」で論文を発表する場合の条件について伺います:料金はどのようになりますか?

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」におけるレビュー(総論)の位置づけはどのようなものでしょうか?

Q  レビュー(総論)に期待されるものを簡潔に表すとどのようなものでしょうか?

Q  日本人が英文でレビュー(総論)を書くのは,難しいのではないでしょうか?

Q  連合大会での優れた成果報告とは,具体的にはどのようなものを想定していますか?

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」では,「独り立ち」にむけてどのような目標を設定しているのでしょうか?

Q   JpGU連合大会の国際化促進は「Progress in Earth and Planetary Science」にも影響を与えるのでしょうか?

Q  招待論文やセッションでのコンビーナーによる推薦論文の投稿では,査読は省略されるのでしょうか?

Q  冊子体では,他の論文と合わせて冊子体を作るために,出版を待つことがありますが,これは「オープン・アクセス・e-ジャーナル」でも同じなのでしょうか?

Q  そのような場合,JpGUは網羅する範囲が広いので,バラバラの内容となってしまうのではないでしょうか?

誰でもどこでも読める「Progress in Earth and Planetary Science」

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」に出版された論文は誰でも読めるのでしょうか?

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」のアーカイブはどのように保存されるのでしょうか?

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」に出版された論文のpdfをホームペ−ジで紹介できますか?

Q  現在,円安になっていますが,図書館での雑誌購読にも影響があるのでしょうか?「オープン・アクセス・e-ジャーナル」と対比して,説明していただけませんか?

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」はどのような体制で出版されるのでしょうか?

出版会社との契約に係る要点

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」の命名権というのは,誰がもっているのでしょうか?

Q  契約書は日本語で作成されるのでしょうか?

Q  契約した場合には,論文のハンドリングに関するコンピューター経費などは別途かかるのでしょうか?

Q  doi番号などは著者が申請するのでしょうか?

「オープン・アクセス・e-ジャーナル」

Q  話が前後しますが,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」とはなんでしょうか?

Q  オープン・アクセスの特徴はなんでしょうか?

Q  オープン・アクセスの派生効果としてどのようなことを挙げることができるでしょうか?

Q  従来の図書館型購読モデルでパッケージ契約が破棄された場合はどのようになるのでしょうか?

Q  冊子媒体であると,図書館が購入した過去の雑誌は永久に読めますが,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」の場合にはどのようになるのでしょうか?

Q  「オープン・アクセス・e-ジャーナル」のビジネスモデルとはなんでしょうか?

Q  海外の研究者(投稿者)は日本のジャーナルの何の情報が知りたいのでしょうか?

Q  海外の研究者(投稿者)にも魅力的に映るようにJpGUジャーナルも努力するのでしょうか?

Q  いまさら「オープン・アクセス・e-ジャーナル」を立ち上げてもうまくいくのでしょうか?

Q  「オープン・アクセス・e-ジャーナル」がこの数年非常に伸びている理由は何でしょうか?

Q  「オープン・アクセス・e-ジャーナル」に関したヨーロッパの動向はどうでしょうか?投稿者が経費を負担ということから始まりましたが,将来もそうなのでしょうか?

インパクトファクター(IF = Impact factor)

Q  IFについて,教えて下さい.

Q  研究の質の定量的評価指標として被引用数を用いる場合の注意とはどのようなものでしょうか?

Q  IFの誤った使い方が問題との指摘がありますが,どのような使い方でしょうか?

Q  では,なぜ「Progress in Earth and Planetary Science」では高いIFを目指すと科学研究費補助金(研究成果公開促進費)での申請書に書かれたのでしょうか?

Q  高いIFを目指すと投稿論文の採択率が上がり,掲載論文が少なくなり,本来の目的の海外への情報発信力が小さくなってしまうのではないでしょうか?

Q  英文によるジャーナル出版に関して理学系の他の分野の動向はどうでしょうか?

将来への質問について

Q  JpGUはレター誌も発行するのでしょうか?

Q  科学研究費補助金が終了したあと,JpGUジャーナルは独り立ちできるのでしょうか?

Q  出版事業は補助金受給期間終了後も継続すると思いますが,この点についてはどのように考えているのでしょうか?

Q  図書館経費が高騰し,知的財産へのアクセスという点で問題となっていますが, JpGUジャーナルはこの問題にどのように影響すると考えているのでしょうか?

Q  JpGUジャーナルはスタートした後,どのように育成していく方針でしょうか?

情報発信とジャーナル

Q  世界の中での位置づけはどのようなものを目指しているのでしょうか?

Q  海外への情報発信という意味では,科学者のレベルが重要なのであって,ジャーナル出版の重要度は下がるのではないでしょうか?

Q  JpGUの団体会員(加盟学会)が出版するジャーナル(英文誌)と競合しないのでしょうか?

Q  学術出版にはジャーナル・本がありますが,図書館経費の中での位置づけはどのようになっているのでしょうか?

平成25年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)改革について

Q 「平成25年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)改革」とは大きな変化をもたらすのでしょうか?

その他

Q  日本人同士の引用が少ないといううわさがありますが,本当でしょうか?

Q  平成25年7月1日より無償で提供の電子出版物(PDFファイル)は国立国会図書館への納入が出版者に義務づけられるが,海外出版会社の場合,どのような扱いになるのでしょうか?


  JpGUジャーナルに関する Q and A

日本地球惑星科学連合のジャーナル「Progress in Earth and Planetary Science」の概要

[概要について]

1)JpGUの新しい「オープン・アクセス・e-ジャーナル(Open Access e-journal)」が2014年1月に創刊となります!!

2)今秋投稿受付開始です!地球惑星科学をリードする雑誌を出版します.

3)ジャーナルの構成は,総論(レビュー),優秀論文(連合大会の発表の中からセッションコンビーナが推薦し,投稿可),一般投稿となります.

4)ジャーナル企画経営委員会+編集委員会(50%は海外編集委員)がJpGU理事会,参加49学協会,出版社と協力して,ジャーナルを運営します.

詳細なスケジュール,投稿料金等は9月に学会等のニュースを通じてお知らせします.皆様の研究成果の積極的投稿をお願い致します!

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Progress in Earth and Planetary Science」の由来

Q 日本地球惑星科学連合(JpGU)のジャーナル名称はなぜ「Progress in Earth and Planetary Science」となったのでしょうか?

A 日本地球惑星科学連合ジャーナルとして,連合の名前を訳したものが,設立趣旨を表しているとの観点より,『日本 地球惑星科学 連合』から「日本」と「連合」を除いて直訳英語にすると『Earth and Planetary Science』となります.地球惑星科学の発展を祈願して,『Progress in Earth and Planetary Science』と命名することが理事会全員一致で決まりました.
『Science』と単数になったのは,地球惑星科学の統合的な『Science』を目指すためです.

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日本地球惑星科学連合のジャーナル出版の背景

Q  現在,日本地球惑星科学連合(JpGU)大会はどれ位の規模なのでしょうか?

A JpGUの起源は地球科学関連5学会の合同学術大会の開催に遡ります.JpGUは2005年秋の日本学術会議の改革に対応して地球惑星科学関連学協会を調整する窓口組織として発足し,2009年の社団法人を経て,2011年に公益社団法人となりました.現在,地学系49の学協会が加盟しています.
 地球惑星科学は複雑で,そこで生起する現象は多様です.日本地球惑星科学連合(JpGU)が毎年春に幕張メッセ国際会議場(来年は横浜国際平和会議場,通称,パシフィコ横浜(Pacifico Yokohama))で開催している大会(通称「連合大会」)は,とくに地球惑星科学的現象を分野横断的かつ多角的に解析した内容などを議論する場として機能してきています.
 2013年には口頭・ポスターの全投稿件数は3,980件(口頭発表2,226件,ポスター発表1,754件)と過去最大を記録し,毎年増加傾向にあります.登録参加者は4,815名で全参加者も6,824人となっています. AGU(American Geophysical Union: 米国地球物理連合),EGU(European Geosciences Union: ヨーロッパ地球科学連合)に次ぐ規模となっています.

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Q  公益社団法人日本地球惑星科学連合(JpGU)がなぜジャーナルを出版する必要があるのでしょうか?

A 「地球惑星科学に関する多角的側面からの研究成果あるいは統合的な概念の創出」などを目的に連合大会において多数の発表があります.しかしながら,現在,連合大会ではアブストラクトのみが公表されています.「Progress in Earth and Planetary Science」は,連合大会での優秀な発表論文とともに地球惑星科学に関するレビュー(総論)を中心に文字媒体による国際情報発信を目的としたものです.
 これまで3年余,JpGUでは電子媒体による英文誌出版を検討してきました.出版開始を目指して,ジャーナル出版の準備金を2012年度予算に計上しました.この事業目標は「地球惑星の国際情報発信強化」ですが,具体的には@地球惑星科学における世界の一極を担える「オープン・アクセス・e-ジャーナル(電子ジャーナル)」の創刊,A連合大会の多角的・統合的な成果の公表,B加盟学会との共同発行です.この概念は,今回の「科学研究費補助金(研究成果公開促進費)」の趣旨そのものでありました.

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Q  連合がジャーナル出版をする意義とはどのようなものでしょうか?

A 個々の研究者のレベルでみると,海外のジャーナルへの論文の投稿で十分との意見があります.一方,コミュニティのレベルでみると,「学問の自由・独立」といった観点から地球惑星科学関連を網羅するようなジャーナルの存在は重要と考えらます.ジャーナルは研究者の成果の発表の場ですが,これまでも社会の混乱(経済的困窮,戦争など),イデオロギーの対立などにより世界的レベルで誌上発表などが影響を受けたことがあります.そこで,日本のコミュニティとして「学問の自由・独立」といった観点からも独自のジャーナルをもつことは重要です.一般的に影響力のあるジャーナルを発行することが、そのコミュニティの力と評価されます.

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Q  JpGUと海外のコミュニティとの関係についての将来像はどのようなものでしょうか?

A JpGUは AGU(AGU:アメリカ地球物理学会), EGU(European Geosciences Union: ヨーロッパ地球科学連合)), AOGS(Asia Oceania Geosciences Society: アジア・オセアニア地球科学協会)とも協定を結んで,協力関係を築いてきました.ジャーナルの発行は,JpGUが世界の重要なプレーヤーとして役割を担える発展の重要なステップとなります.世界五大陸に拠点をもち海外流通を得意とする出版会社と組んで創刊するオープン・アクセス・e-ジャーナルは,この分野で世界のトップクラスのジャーナルの一角を担い,将来的に日本学術振興会の補助なしに「独り立ち」できるまで成長したいと計画しています.

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Q  JpGUのみで科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の提案をしたのでしょうか?

A 2013年10月2日にJpGU加盟49学協会長会議が開催されました.この会議で,
「49学協会長との共同提案である」と決議されたので,JpGU+加盟49学協会の提案というのが,正しく,提案書およびヒアリングでも,そのように表明してきました.

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「Progress in Earth and Planetary Science」の具体的内容

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」の発刊スケジュールはどのようなものでしょうか?

A JpGUが創刊するジャーナルは「オープン・アクセス・e-ジャーナル」です.2014年1月に創刊を目指します.原稿の受付開始は2013年10月となると予想されます.すでにオープン・アクセス・e-ジャーナルを扱う学術出版社のSPRINGER社と契約しました.論文投稿にかかる最終的な値段設定についても9月に公表する予定です.

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Q  「Progress in Earth and Planetary Science」が掲載する論文のカテゴリーにはどのようなものがあるのでしょうか?

A 論文のカテゴリーに関しては,@地球惑星科学の知識などを整理したレビュー(総論),A連合大会の多角的・統合的な成果の発表の中から優秀な発表を文字媒体としたもの,B海外・国内の質の高い原稿,の三点が特徴です.海外からの投稿も増えるよう提携出版会社と戦略を練り,魅了あるジャーナルにしたいと考えております.

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Q  「Progress in Earth and Planetary Science」で論文を発表する場合の条件について伺います:料金はどのようになりますか?

A 出版会社との契約後,皆様にお知らせするつもりです.JpGUとしては,最初の2年間については投稿料金の大幅な割引を考えています.特に,レビュー(総論)は,加盟学会の既存ジャーナルとの重複がないので,加盟学会にとってもメリットがあると考えられますので,促進をはかりたいと考えています.

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Q  「Progress in Earth and Planetary Science」におけるレビュー(総論)の位置づけはどのようなものでしょうか?

A 後述するように,図書館においてもジャーナルの比重が増しています.ジャーナルの方が,本から得られる情報よりも新しい傾向があるため,日進月歩の理科系の分野ではジャーナルの方に重点が置かれる傾向が近年顕著です.将来もこの傾向はさらに増していくと海外の大手出版会社は予想しています.
 この観点からJpGUのジャーナルの方針をみると,review(総説)は本よりも,その分野の最新の整理された情報に接する機会をもたらすと考えられます.そこで,レビューは「論文と本の中間」に位置し、最新の体系的な知識を集約する役割を果たすものと考えられます.このことは,大学等のゼミで積極的に使用していただくことで,コミュニティのレベルアップに繋がると考えます.

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Q  レビュー(総論)に期待されるものを簡潔に表すとどのようなものでしょうか?

A 箇条書きで挙げると以下のようになります.
・あるテーマについて,分野を超えた研究者(学生)への解説と分野横断的な学問に発展するための取り組みと将来の課題
・地球惑星科学の知識・理論・概念などを整理し,新たな研究の鉱脈の提示
・個々の論文だけでは理解しにくい,あるテーマの全体像の提示
・「BOOK」から得られる情報より最新の体系的な知識
・新規プロジェクトについては,その分野の蓄積されたデータと解釈のまとめと今後の課題
・過去のプロジェクトについては,プロジェクト以前の分野の現状,プロジェクトによる進展,そして,将来の課題
・大学のゼミでの使用による若手研究者(学生)への最新情報の提供

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Q  日本人が英文でレビュー(総論)を書くのは,難しいのではないでしょうか?

A 英語が母国語でない研究者が長文のレビュー(総論)を書くことは多少ハンデがあるかもしれません.しかしながら,国際プロジェクトなどの提案書の執筆では,「その提案書の半分がこれまでの研究のレビュー(総論)で,これに基づく新しい提案」が常です.この場合,複数著者があらかじめ議論をして,適当な項目ごとに分担執筆を決め,そして,最終的に1つの提案書(論文)とすることがよくあります.この方法であれば,レビュー(総論)執筆も可能と考えます.

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Q  連合大会での優れた成果報告とは,具体的にはどのようなものを想定していますか?

A 連合大会での特徴は,複数の学会や分野にまたがったような特別セッションを開催することにあります.「多角的側面あるいは統合的な概念など」を扱うセッションの発表などを,文字媒体として発表する場としてJpGUジャーナルを使っていただければと考えています.海外の著名な研究者,新進気鋭の研究者を招聘したセッションなどについても,特集号などを通じてJpGUジャーナルが場を提供できると考えています.
 JpGU加盟学会のジャーナルとの競合を避けるためにも,連合大会での口頭・ポスター発表を「Progress in Earth and Planetary Science」に投稿していただければと思います.現在,連合大会では約4,000件の発表がありますので,1%(5%)なら40件(200件)件の優秀な論文が掲載できます.特に,各セッションコンビーナーによる「科学的見地」からの推薦論文については,掲載料金などで優遇措置をとりたいと考えています.2013年の連合大会では,セッションは180ありました.

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Q 「Progress in Earth and Planetary Science」では,「独り立ち」にむけてどのような目標を設定しているのでしょうか?

A 「オープン・アクセス・e-ジャーナル」で「独り立ち」するには、この分野での主要国際ジャーナルと同等以上の評価を得る必要があります.なぜなら,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」は現在のところ投稿者が掲載料金を支払うことになっているからです.世界の研究者から魅力のある雑誌と思われるように,「情報発信力を高める」必要があります.但し,JpGUは「単純に不採択率を上げる」ことは考えていません.「質の高い論文の投稿」を促す努力をしていきたいと思っております.前述したように,セッションコンビーナーによる推薦論文も一例です.

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Q  JpGU連合大会の国際化促進は「Progress in Earth and Planetary Science」にも影響を与えるのでしょうか?

A 連合大会の特別国際セッションの開催を促進し,著名な海外研究者に招待講演を依頼したり,内外で活発な研究活動を行う研究者によるセッションを財政的にも後押しして,このようなセッション発表者からの投稿意欲を高められたらと思っています.本年度はすでに連合大会は終了していますので,来年度への発展モデルへの試みとして,2013年後半に「特別国際セッション」を開催していただく提案書受付を開始しています.

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Q 招待論文やセッションでのコンビーナーによる推薦論文の投稿では,査読は省略されるのでしょうか?

A 一流の国際誌と同様に査読(peer review)をします.これは,質の向上,公平性に鑑み,すべての論文について平等に作業を行います.

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Q 冊子体では,他の論文と合わせて冊子体を作るために,出版を待つことがありますが,これは「オープン・アクセス・e-ジャーナル」でも同じなのでしょうか?

A 違います.
「Progress in Earth and Planetary Science」では,論文が受理され次第,「doi番号」がついて,電子出版されます.ですから,2014年については「1巻のみ」,すなわち「Volume 1」のみで随時発行となります.

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Q そのような場合,JpGUは網羅する範囲が広いので,バラバラの内容となってしまうのではないでしょうか?

A たしかに,doi番号で並べればそのようになりますが,電子出版なので,「Progress in Earth and Planetary Science」のサイトに行くと,「セクションごとに配列した目次」とすることもできます.2013年,2014年と年月が経ち,論文数が増えた場合には,例えば「key words」などで配列した目次を提供することもできます.従来の冊子型とは異なったサービスを受けることができます.

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誰でもどこでも読める「Progress in Earth and Planetary Science」

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」に出版された論文は誰でも読めるのでしょうか?

A 「オープン・アクセス・e-ジャーナル」なので読めます.
 現在,JpGU加盟学会の冊子体が届いていない独立行政法人の支所の図書室があります.その場合,「自分で書いた論文が,自分の働く所の図書館で読めない」といった事態となっています.「Progress in Earth and Planetary Science」の場合には, 「オープン・アクセス・e-ジャーナル」なので,何らの制限なく皆が購読できます.

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Q  「Progress in Earth and Planetary Science」のアーカイブはどのように保存されるのでしょうか?

A 出版された論文のアーカイブは,世界の数カ所にある巨大なデータセンターに半永久的に保存されることが世界的規模の出版社では義務づけられています.現在, pdfが作製されていても,巨大データセンターに保存されていないと,出版会社が倒産・廃業などした場合には,pdfは散逸してしまうかもしれません.「Progress in Earth and Planetary Science」の場合には,そのようなことはありません.また,著者が亡くなった後でも,その論文を含めて,再編集して本などを作る場合であっても,論文の著者を記せば,自由に使用することができます.

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Q  「Progress in Earth and Planetary Science」に出版された論文のpdfをホームペ−ジで紹介できますか?

A 少し前までは,出版された論文の版権は出版会社にあるので,これは禁止されていました.昨今では,個人用に限って許されています.「Progress in Earth and Planetary Science」は「オープン・アクセス・e-ジャーナル」なので,皆様個人のホームペ−ジに,ご自分の論文のpdfを自由に掲載できます.これにより,成果をアピールすることができます.

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Q  現在,円安になっていますが,図書館での雑誌購読にも影響があるのでしょうか?「オープン・アクセス・e-ジャーナル」と対比して,説明していただけませんか?

A 大学の図書館で契約額が毎年数%上昇し,購読料が大きな問題となっていることは皆様のご存知のとおりです.昨今の円安により,来年度の雑誌の購入価格が大幅に増えることを危惧する声が高まっています.海外の大手出版会社はしばしばパッケージ契約を提案します.その場合,約2,000雑誌の購読が可能ですが,大学予算が不足して個別契約になると,購読できる雑誌数は激減し,200雑誌程度になるとの試算もあります.このような場合でも「オープン・アクセス・e-ジャーナル」は何らの制限なく皆が購読できるので,問題ありません.

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Q  「Progress in Earth and Planetary Science」はどのような体制で出版されるのでしょうか?

A 本事業では2つの委員会を設置します:@ジャーナル企画経営委員会とAジャーナル編集委員会です.前者は,ジャーナルの中長期経営戦略(企画,財政,方針など)をたて,既存学会誌と協調しながら,実行に移します.値段の設定もこの委員会で決定されます.後者は,通常の原稿受付,査読審査,受理,出版を行います.

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出版会社との契約に係る要点

Q  「Progress in Earth and Planetary Science」の命名権というのは,誰がもっているのでしょうか?

A いわゆるtitle rightと言われるものです.このジャーナルのオーナーはJpGUなので,出版会社との契約が終了すれば次の契約出版社と同名ジャーナルを出版することになります.

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Q  契約書は日本語で作成されるのでしょうか?

A これは問題が起こった時の法廷の場所に関連します.通常,その出版会社の本社のある国の法律が適用され,指定する言語(通常英語)となる場合が多いようです.日本語訳も作られますが,法廷で採用されるのは,オリジナルの契約書となります.このような事態にならないよう,これまでの係争のトラブルがほとんどない会社を選ぶことが重要です.今回はSPRINGER社と契約し,契約言語は英語となりました.

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Q  契約した場合には,論文のハンドリングに関するコンピューター経費などは別途かかるのでしょうか?

A さまざまな契約方法が考えられます.これまで誌上発表を行ってきた場合には,印刷ペ−ジ数などで値段が変わることも結構あり,JpGU加盟学会には苦労をされてきた雑誌も多いかもしれません.電子ジャーナルの場合には,コンピューター経費,査読に係るベーシックなサービス,版組みなど,論文出版までの全部を一括して契約する場合が多いようです.また,印刷する場合と比較するとペ−ジ数による経費の増減はあまり関係ないようです.

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Q  doi番号などは著者が申請するのでしょうか?

A これは出版会社が申請するので,著者には事務上の負担はおかけしません.但し,将来,出版会社を変更した時には,次の出版会社がdoi番号申請しなければならないので,注意が必要です.

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「オープン・アクセス・e-ジャーナル」

Q 「オープン・アクセス・e-ジャーナル」とはなんでしょうか?

A オープン・アクセスとは,読者がお金を支払わずに自由に閲覧できるという意味で,e-ジャーナルとは,紙媒体に印刷しない電子ファイルのみで刊行されるジャーナルのことです.

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Q オープン・アクセスの特徴はなんでしょうか?

A もう少し厳密に説明しますと,オープン・アクセスでは「版権は学会と出版会社がもつ」ことになりますが,これは論文のアーカイブの保存や事務処理をスムーズにするためです.実質的には「著者が版権を有す」とお考えいただいて結構です.誰でもネットを通じて読むことができます.もちろん,著者のホームペ−ジに論文そのものを掲載することも自由です.日本は母国語が非英語圏であり,ジャーナルへのアクセスという点ではこれまで英語圏のジャーナルとは幾分立場が弱い傾向がありましたが,オープン・アクセスの場合にはその立場は強化され,key wordsなどを介して検索にかかり,世界中の研究者に読まれる頻度が高まると予想されます.

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Q オープン・アクセスの派生効果としてどのようなことを挙げることができるでしょうか?

A 現在は図書館が雑誌を購入して,それにアクセスして論文を読むようになっていますが,逆に言うと,図書館で雑誌の購入をやめてしまうと,新しい論文が読めなくなってしまいます.オープン・アクセスであれば,たとえ図書館経費などが削減されたとしても,「読者はお金を支払わずに自由に閲覧できる」ので,購読可能のままであり,問題はありません.

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Q 従来の図書館型購読モデルでパッケージ契約が破棄された場合はどのようになるのでしょうか?

A 図書館にすでに購入された紙媒体の冊子はもちろん読めます.問題は電子化された部分です.通常,購読契約を破棄してしまうと,破棄されてからの購読のみならず,アーカイブへのアクセスもできなくなります.例えば,Cジャーナルというものがあったとします.2012年の契約を最後に,購読契約を延長しなかった場合,2013年以降のCジャーナルも読めないばかりでなく,通常は過去に発行されたものについても読めなくなります.

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Q 冊子媒体であると,図書館が購入した過去の雑誌は永久に読めますが,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」の場合にはどのようになるのでしょうか?

A 検討している「オープン・アクセス・e-ジャーナル」は,世界各地にデータを分散させて保存するサーバー群で永久に保存される規則が適用されることになります.ほとんどの大手・中堅の出版社では出版された雑誌が永久に保存されることになっています(注意:オープン・アクセスとはいっても永久には保存される保証のない会社も存在します).そこで,一旦,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」に掲載されたものは,将来にわたって自由に閲覧できることが保証されます.将来,出版社(出版プラットフォーム)が変更になった場合も,自由に閲覧できることが保証されます.EGUの「オープン・アクセス・e-ジャーナル」群もこのようなサービスが適用されるように永久アーカイブに責任を持つ会社と契約を結んでいます.

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Q 「オープン・アクセス・e-ジャーナル」のビジネスモデルとはなんでしょうか?

A 既存ジャーナルの経営は基本的に図書館経費に依存しています.「オープン・アクセス・e-ジャーナル」ではコストの負担者は幾つかに分類できます.@研究費提供組織,A研究所,B投稿者が代表的なものです.最も異なる点は「図書館経費ではない」点です.一般的には,投稿者(著者)が投稿料としてお金を支払うという場合が多いですが,では投稿者が必要経費を100%支払っているのか,というと実際には違うことが多いようです.というのは,オープン・アクセスジャーナルの先進地域であるヨーロッパでは,投稿者は一部を支払うのみ(場合によっては負担なし)で,@研究費提供組織,A研究所など研究費による補填が行われることが多いようで,投稿者の実質負担(自身の研究費からの出費)は軽減されています.

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Q 海外の研究者(投稿者)は日本のジャーナルの何の情報が知りたいのでしょうか?

A 海外の学会でプロモーション活動をしている化学系の学術誌担当者が実施したアンケート調査によると,そもそも日本のジャーナルの存在自体の認知度が低いようで,知りたい情報は@日本で発行されているジャーナル,Aインパクトファクター,B投稿の方法,C掲載料金,D審査期間となります.ちなみに,この化学系の雑誌群は日本から出版されているジャーナルとしては,トップクラスのものです.

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Q 海外の研究者(投稿者)にも魅力的に映るようにJpGUジャーナルも努力するのでしょうか?

A 認知度を高めるため,ジャーナルの特徴である「地球惑星科学の多角的側面からの解析,統合的概念の創出」といった趣旨を理解してもらいながら,世界の研究者へのアンケートによる投稿者が重要視するインパクトファクター,掲載料金,審査期間が魅力的になるようJpGUジャーナルについても努力したいと思います.

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Q いまさら「オープン・アクセス・e-ジャーナル」を立ち上げてもうまくいくのでしょうか?

A まず,総論(review)論文に関してはプロジェクトですでに実例があるのでご紹介しましょう.国際プログラムのIODP(統合国際深海掘削計画)プロジェクトでは提案書は科学者による国際的な研究チームによって準備・提出されます.掘削提案書は,通常数十ペ−ジから成っていますが,その前半はその研究関連分野のReviewとなっています.提案書はチームでworkshopなどを通じての議論,E-mailでの交信で作られますが,この10年間日本人による提案も数多くなされてきました.このように英文のreviewであってもあるテーマ設定によって日本人にも十分対応でき,しかも国際プロジェクトなどを遂行している場合には,その国際チームで執筆していただければ,十分対応は可能と考えます.さらに調査航海後には成果論文が国際誌に30-40編出版されますので,そのsynthesisなどをJpGUジャーナルに投稿していただくことで,分野外の方も全体像を把握しやすくなります.review論文は,広範囲の知識の整理につながり,問題点の指摘,将来発展すべき事項の示唆も与えるので,コミュニティにとっても重要と考えます.
 次に,連合大会でのセッションにおいて,「多角的側面あるいは統合的な概念創出など」で優れた発表に関しては,例えば発表の数%でも投稿して下されば,魅力的なジャーナルの内容となります.そして,大手商業出版会社のジャーナル以上に皆様に支持されるために,継続的な努力が必要なことは当然ですが,まずは最初のスタートアップの時に,皆様のご協力も得て,質の高い原稿を集めたいと思っています.

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Q 「オープン・アクセス・e-ジャーナル」がこの数年非常に伸びている理由は何でしょうか?

A ヨーロッパなどでは,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」が新しい大きな潮流となっています.この哲学は,「研究成果は納税者も含めた社会全体に還元されるべきである」という考えに基づくものです.誰もがアクセスできるよう,EUは巨額の資金を投じて,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」とともに「既存雑誌のオープン・アクセス化」を推進しています.北欧などの国では,国民の税金で行われた研究成果は「オープン・アクセス・e-ジャーナル」(全ての国民が無料でアクセスできる)に投稿する事が義務づけられています.また,アメリカでもアメリカ国立衛生研究所 (NIH) から予算を受けて行った研究の成果は、発表後1年以内に公衆が無料でアクセスできる状態にしなければならない,ということが2007年末に法律で義務化されました.

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Q 「オープン・アクセス・e-ジャーナル」に関したヨーロッパの動向はどうでしょうか?投稿者が経費を負担ということから始まりましたが,将来もそうなのでしょうか?

A ヨーロッパでは,研究費提供組織を通じてオープン・アクセス・e-ジャーナルへの投稿を促しています.具体的には,著者の実質負担を大幅に軽減するよう一種の補助金を出しているとのことです.例えば,C研究所がD出版社と包括契約を結んでいる場合には,C研究所の研究者がD出版社の「オープン・アクセス・e-ジャーナル」で論文を発表しても,自己負担でなく,C研究所が公的資金で負担するといったことが行われています.
 今回,「科学研究費補助金(研究成果公開促進費)」を通じて日本政府もオープン・アクセス支援にのりだしましたが,趣旨は@「成果は納税者にオープンに還元」,A「図書館からオープン・アクセス支援への重点の移行」という世界の先進国の大きな流れにそったものです.未来のことは誰にもわかりませんが,この分野で前を走るヨーロッパを見る限り,オープン・アクセス・e-ジャーナルへの公的支援は期間限定的なものでなく,継続的に発展するものと予想されます.

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インパクトファクター(IF = Impact factor)

Q IFについて,教えて下さい.

A IFはある雑誌の発行された論文がどの位引用されたのかを示す数字で,この値が大きいほど一つあたりの引用率が高いということになり,一般的に雑誌として高い評価を受けています.例えば,「Progress in Earth and Planetary Science」が2014年1月から発行されたとすると,2014年(1〜12月)と2015年(1〜12月)に出版された論文について,総引用数を出版された総論文数で除したものが,2016年のIFとなります.そこで,秋以降より年が明けて春までに出版した方が有利ということになります.一方で,IFの計算対象となる雑誌は,基本的に年間を通じて出版が継続していることも求められているので,年後半にも継続的に出版が求められています.年間に出版される最低の論文数については,公式の発表はありませんが,海外大手出版社のうわさ話によると,年間25編と言われています

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Q 研究の質の定量的評価指標として被引用数を用いる場合の注意とはどのようなものでしょうか?

A 被引用数ベースで影響度の測定を行う際の問題には,論文が引用され始めるまでのタイムラグの存在や次のQ&Aに示したような様々な弊害が大きいことも事実です.特に,地球惑星科学では,タイムラグが長いこと,研究者の人数が他主要分野と比べると少ないことなどを挙げることができます.

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Q IFの誤った使い方が問題との指摘がありますが,どのような使い方でしょうか?

A  IF は、元来「どの雑誌を図書館に置くか」というジャーナルの評価指標として使用されてきました.大事なのはIFの高いジャーナルに掲載されたすべての論文が,多く引用されるわけでもありません.ジャーナルによっては被引用数上位25%の論文が,引用全体の89%を稼ぐといった報告もあり,非常に高いIFを示すジャーナルでも,ほとんど引用されない論文が相当数掲載されていることが実証されています.これは,一部の論文だけが,被引用数の多くを獲得しているということを意味しており,業界の人にはよく知られています.
 一つのジャーナルの中でも論文ごとに様々な性質があり,IFを用いて雑誌でなく,「個々の論文や研究」を直接評価することは,一般には誤りだとされているので,注意を要します.

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Q なぜ「Progress in Earth and Planetary Science」では高いIFを目指すと科学研究費補助金(研究成果公開促進費)での申請書に書かれたのでしょうか?

A まず,前提条件について述べます.科学研究費補助金(研究成果公開促進費)では,ジャーナル評価に関して「数値目標」を記すことが強く求められています.
 従来型のジャーナルでは,論文掲載の大部分の支払いが図書館経費(税金)で賄われます.しかし,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」では,原則投稿する著者が支払う必要があります.この時点で,ビジネスとしてはハンディキャップがあります.そこで,「オープン・アクセス・e-ジャーナル」では,誰でも読める(購読数の増加),皆が注目するジャーナルとする必要があります.
 現在のほとんどすべてのジャーナル出版では,良し悪しはともかく現実として「インパクトファクターゲームに乗る」ことが必須となっているのです.上にIFの注意事項について記しましたが,「雑誌の評価指標としてIFは一定の価値」,「ブランド力との一定の相関」を認められており,海外の人にとっても魅力的なジャーナルで海外情報発信強化を目指すとなると,ジャーナルのIFは高い方がよい,ということになります.

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Q 高いIFを目指すと投稿論文の採択率が下がり,掲載論文が少なくなり,本来の目的の海外への情報発信力が小さくなってしまうのではないでしょうか?

A 「Progress in Earth and Planetary Science」では,採択率を下げる(=査読に際し,rejectを多くする)ことは考えていません.まず,「質の高い原稿を集める」ことを最優先と考えています.総論(review)とともに,連合大会での各々のセッションでの推薦論文などを中心に原稿投稿を呼びかけているのも,そのためです.連合大会での発表数は約4,000にあり,セッションも約180のぼります.もし,発表数の1%(あるいは5%)で40(200)論文,各々のセッションでの推薦論文が投稿していただければ約180の論文投稿が期待されます.「質の担保」,「公平性」の観点より,招待論文であっても「査読」による審査で投稿の採否が決まります.

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Q 英文によるジャーナル出版に関して理学系の他の分野の動向はどうでしょうか?

A 日本化学会には4つのジャーナルがあります.この中の2つは,海外の出版社との提携で出版されていますが,日本化学会が主導的役割を果たして高いIF(4と5)を維持しています.生物関係では,植物生理学会の出版する英文誌が過去にIFを約2から4以上へと,この分野の世界的成果を掲載できるまでに成長したと皆から高く評価されています.また,物理学の分野では,過去のノーベル賞に関係した論文が日本の学会の英文誌に掲載されものがあるそうです.とはいえ,極東に位置する日本でのジャーナル出版に関して,ほとんどの学会が大変な苦労をしているのも事実です.

*植物生理学会の国際誌のIFは以下の通りです.
FY,IF(2010年4.26,2009年3.59,2007年3.65,2004年3.26,2001年2.43,2000年2.31)

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将来への質問について

Q JpGUはレター誌も発行するのでしょうか?

A 「Progress in Earth and Planetary Science」ではレターは扱いません.その理由は,関連学協会でレター誌が出版されている場合があるためです.数年後の将来に,複数学会からの希望があればそれらの分野について個別に対応することを検討しますが,JpGUの方から特定の分野に関するレター誌の発行を積極的に提案することはありません.

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Q 科学研究費補助金が終了したあと,JpGUジャーナルは独り立ちできるのでしょうか?

A  JpGUでは,これまで連合大会での口頭・ポスター発表での発表を英文誌に文字媒体で出版していく,ということを検討し,2012,2013年度予算にジャーナル出版費の一部準備金を計上してきました.今回もJpGU独自の予算と科学研究費補助金(研究成果公開促進費)を併せて投入することにより,より効果的に目標を達成しようと考えています.
 今回の科学研究費補助金「成果公開促進費」は,第1期が5年間で,スタートアップ費用を補助する形をとっています.JpGUは,その間にオープン・アクセス・e-ジャーナルで投稿者にも魅力的なジャーナルへと発展できるように努力したいと思っています.(参考:オープン・アクセス・e-ジャーナルの項目のヨーロッパの動向も参考にしてください.)

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Q 出版事業は補助金受給期間終了後も継続すると思いますが,この点についてはどのように考えているのでしょうか?

A 連合大会での優れた口頭・ポスター発表を,文字媒体として残しておくことは重要です.サイエンスセクションボード,あるいはユニオンサイエンスボード主導の地球惑星科学に関する「多角的側面あるいは統合的な概念」の創出に寄与するようなセッションの企画やそれらの発表論文の出版などができれば,JpGUがジャーナルを固有に有する意義は大きいと考えています.

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Q 図書館経費が高騰し,知的財産へのアクセスという点で問題となっていますが, JpGUジャーナルはこの問題にどのように影響すると考えているのでしょうか?

A 既存のジャーナルは図書館からジャーナル代金を回収しています.先般,海外A会社のパッケージ購読価格が30%以上値上がりしました.その際,不買運動をしてはどうか,といった議論もでましたが,寡占状態となっている現状では,それはかえって研究者の活動を低下させるという理由で見送られました.JpGUのオープン・アクセス・e-ジャーナルが将来伸びて,A会社の雑誌と同等のレベル以上になれば,JpGUジャーナルに投稿されるよう誘導できると考えられます.また,これは一般市民の税金で実施された研究を社会に還元することにもつながると考えます.

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Q JpGUジャーナルはスタートした後,どのように育成していく方針でしょうか?

A JpGUジャーナルについては,現在出版していない現状を鑑み,最初から多数の論文の掲載をするというより,現実的な対応として,JpGUのコミュニティと関連する海外の研究者に依頼などをしながら,質の高い論文を集めることを最優先とし,その後,掲載数を増やしていければと考えます.なお,海外大手出版社の言によると,IFが0.5上昇すると,投稿先の国が変化していくそうで,スタートアップが肝心と考えます.なお,育成については,「ジャーナル企画経営委員会」を通じて詰めていく予定です.

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情報発信とジャーナル

Q 世界の中での位置づけはどのようなものを目指しているのでしょうか?

A 連合は,自律的機能を持つ5つのサイエンス・セクションボードが学術活動の主体となり,加盟各学協会と連携しながら,我が国の地球惑星科学を活性化してきています.

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Q 海外への情報発信という意味では,科学者のレベルが重要なのであって,ジャーナル出版の重要度は下がるのではないでしょうか?

A 文部科学省の統計によると,日本人の研究成果はすでに一流のレベルに達していると評価されています.海外の学術誌に投稿して受理されなかった日本人の優れた論文が日本の雑誌に掲載され,その後時代を変える高い評価を受けた例もあります.画期的な考えを掲載できる場を整えておくことは重要です.また,日本が開拓してきた分野および関連する分野などについて,一つの学会雑誌では扱いきれないテーマについて,誌上発表の機会を整えておくことも重要と考えます.後述するように,JpGUジャーナルは連合大会での分野横断的なセッションの成果を文字媒体で発表する場合の受け皿としても機能したいと考えています.

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Q JpGUの団体会員(加盟学会)が出版するジャーナル(英文誌)と競合しないのでしょうか?

A  JpGUは地球惑星科学関連学会と協力して,お互いに活動を高めることを目標としてきました.そこで,ジャーナル発行においてもなるべく競合しないよう,review(総論)あるいは連合大会での優れた成果報告などを主体とした内容を扱う方向で準備しています.また,ジャーナルの出版形態については,共同出版,あるいは出版の協力・協賛などを考えています.一例ですが,共同出版の場合,学会側から見た時に「私達の学会もJpGUジャーナルを出版している」と言えます.

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Q 学術出版にはジャーナル・本がありますが,図書館経費の中での位置づけはどのようになっているのでしょうか?

A 学術出版は大きくジャーナルと本に分類されます.日本の場合,図書館経費に占める割合は大学によって違いますが,だいたい3:1となっています.最近,「冊子体の本が売れない」との話を聞きますが,図書館経費においてもジャーナルの割合が増加しているようです.その理由は最新の情報が掲載されるからです.また,欧米の世界的規模の出版社による寡占状態により,図書館への販売促進などに関係した編集方針などに出版会社が強く関与する事例もあります.

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平成25年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)改革について

Q 「平成25年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)改革」とは大きな変化をもたらすのでしょうか?

A 第3回SPARC(国立情報学研究所の国際学術情報流通基盤整備事業)Japanセミナー2012「平成25年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)改革」における日本学術振興会の責任者の話によると,今回の制度改革が非常に大きいものであることを学協会に認識してもらいたいと述べられました.特に,改革を成功させるためには,今回,「国際情報発信が強化されれば出版社は日本であろうと海外であろうと構わない.」,「現状の雑誌数が維持されるとは思えないので,今回の改革においても複数団体で発行するのが望ましい.」などが強調されました.さらに,目標に関して,努力目標ではだめで,最終的に会計検査に耐えるような数値目標などが求められました.

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その他

Q 日本人同士の引用が少ないといううわさがありますが,本当でしょうか?

A JpGU加盟学会の国際誌のジャーナルの編集長を経験された複数の方のお話によれば,残念ながら,「日本人の論文を(引用が妥当なのに)引用しない!」傾向があるようです.これからは,欧米,日本関係なく,関連する論文を引用するようになればと思い,「日本人の成果を認め合い、相互の論文引用を促進」へメンタリティの意識改革が必要かと考えます.
 今回のJpGUジャーナルの立ち上げに際しては,加盟学会と協力して,パートナー雑誌,加盟学会誌とともに,「日本人による研究成果の再評価」(引用を含む)といった点についてもキャンペーンを推進したいと考えています.誤解が生じるといけないので,当たり前のことですが書いておきます:「妥当性を欠くような無理な引用をお願いしているわけではありません」.不正に引用を強要したと判断された場合には,Thomson and RueterなどによるIFの採用からはずされてしまいます.

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Q 平成25年7月1日より無償で提供の電子出版物(PDFファイル)は国立国会図書館への納入が出版者に義務づけられるが,海外出版会社の場合,どのような扱いになるのでしょうか?

A 日本地球惑星科学連合より電子出版物「Progress in Earth and Planetary Science」を国立国会図書館に寄贈できるように契約いたします.

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